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サプリ別品質の見分け方

サプリメントの品目によっても、見分け方のコツがあります。
主要原料の種類や、使われる添加物など、こだわって欲しいポイントをご紹介します。


優先順位

サプリメントの優先順位と正しい利用法

世の中には、まさに星の数ほどのサプリメントがあります。これらの中から、自分が使うサプリメントを選び出すのは、専門家にとっても大変な作業です。
とはいえ、幾多のサプリメントも

 ①全ての人に必要な基本的な栄養素の補給を目的にしたもの 
 ②特殊な機能性を持つ成分を摂取するもの。

の二つに分けることができます。

これらのうち、まず手にすべきなのは、基本的な栄養素「ビタミンミネラル」です。
ビタミンミネラルは派手さはありませんが、私たちの体内の様々な活動を支え、全ての人間にとって必要な物質であり、長期間の研究によって、有効性や安全性に関するデータの蓄積も豊富なものです。

多くの場合、消費者は魅力的なキャッチコピーの新製品を、マスコミの健康情報や広告によって購入しがちですが、センセーショナルな広告は、本来不要な物を販売する必要性から行われていることが多いものです。

魅力的な広告に惑わされず、優先順位の高いものから選んで摂取するのが、体にも、お財布にも優しいサプリメントの利用方法です。

鉄サプリメント

単に鉄を補給すればいいのか?

鉄が不足しているなら、鉄を補えばいいということになります。
医薬品としての鉄剤には、硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、クエン酸第一鉄、ピロリン酸第二鉄などがあります。

しかし、これらの鉄剤は大量に摂取すると約10%の方に副作用として、軽い腹痛、食欲低下、便秘あるいは軟便が起こります。

また、こうした鉄剤は「非ヘム鉄」であり、食物繊維やフィチン酸、タンニンなどにより吸収阻害を受けやすいことに加え、細胞内に取り込む際に、3価の鉄イオンから2価の鉄イオンに変化させる必要があるので吸収が良くありません。

※体内で2価の鉄イオンに変化する際に、消化管の内部でフリーラジカルが発生してしまうということにも注意が必要です。

体に優しく、吸収のよい鉄

私たちが食べ物から摂取する鉄には、おもに穀物や野菜に含まれる「非ヘム鉄」と、肉やレバーなどの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」があります。
「ヘム鉄」は、「非ヘム鉄」と異なり、鉄がむき出しではなく、鉄ポルフィリン複合体に囲まれているため、胃粘膜・胃壁を荒らすという副作用がなく、また、そのままの形で吸収されるので、吸収率も「非ヘム鉄」に比べ、5~10倍もよいといわれています。

虚偽品が溢れる「ヘム鉄サプリメント」

ところが、困ったことに世の中には虚偽品のヘム鉄サプリメントが溢れているのが現実です。
ヘム鉄のサプリメント原料はブタの赤血球由来のものが主体ですが、鉄の含有率が1~2%と低いため、十分な量のヘム鉄を含むサプリメントを作るには大量の原料を使用する必要があり、どうしても粒が大きくなるか数が増え、価格も高くなります。

「ヘム鉄」を標榜しながら、小さく少ない粒で価格も安いサプリメントは、虚偽の表示をしている疑いが濃厚です。こうしたサプリメントは、鉄の含有量が少なかったり、ヘム鉄では無く「無機鉄」を主要原料にしていることが多く、全く症状の改善が見られなかったり、摂取した患者さんが副作用で苦しむことになります。

ヘム鉄のサプリメントの選択を患者さんに任せてしまうと、虚偽品のサプリメントを購入してしまう可能性が高いので、しっかりとパッケージの読み方を指導してあげてください。

関節サプリメント

製品レベルでは玉石混淆

コンドロイチン、グルコサミンを含有しているといっても、製品レベルでは玉石混淆です。
例えば、コンドロイチンでは、コンドロイチン硫酸を20%含むものから85%含んでいるとされる原料まであり、起源物質、加工国、安全性、信頼性、価格もまちまちです。

実際に、2008年8月の国民生活センターの調査では、コンドロイチン硫酸を含むサメ軟骨などの「原材料の量」をあたかも「コンドロイチンの配合量」と思えるような表示し、コンドロイチンを多く配合しているようにイメージさせているメーカーや、パッケージの記載どおりに配合していなかったメーカーを実名で公表しました。 

また、胃の中で溶けなかった商品の存在や、薬事法に抵触する広告表現をしているメーカーが多数存在することも指摘しました。

同じ「グルコサミン」でも・・・

似たような名称の商品でも注意してみた方が良い場合があります。

例えば、「N-アセチルグルコサミン」は、健康食品で一般に「グルコサミン」と呼ばれているグルコサミン塩酸塩とは期待される効果に差があります。 

グルコサミン塩酸塩が腸で吸収された後、体内でN-アセチルグルコサミンに変換する際にかなりの量が体外に排出されてしまうのに対し、もともと体内に存在する「N-アセチルグルコサミン」で補給することで、体内での利用率が約3倍になるといわれています。

脂肪燃焼サプリメント

怪しいダイエットサプリには要注意

世の中には、ダイエット用サプリメントが溢れています。

「これを飲むだけで、体重○○㎏ダウン!」
などの甘い言葉に誘惑され、ついつい購入してしまう方も多いですが、ダイエットサプリメントには、医薬品成分のステロイドまたはステロイド類似成分や、食欲抑制剤(フェンフルラミン、マジンドール)等をこっそりと配合して、体重を減らす代わりに健康を蝕んでしまうものもあり注意が必要です。

過去には、違法なダイエットサプリメントで、死亡を含む重篤な健康被害が生じた事例もあります。

ビタミンB群サプリメント

ビタミンB群補給のコツ

ビタミンB群は、体内では相互に関わりあいながら働いていることが多く、
「ビタミンB群はセットで摂った方が良い」
と言われる理由はここにあります。

また、水溶性であるビタミンB群は、体内に貯蔵することができないため、毎日、こまめに補充する必要があります。

ビタミンB群の種類と主な働き

●ビタミンB1 
糖の代謝を促進しエネルギーを生産。アルコールの害を防ぐ。筋肉の疲労を防ぐ。脳を初めとする神経細胞、筋肉、心臓の働きを正常に保つ。
 
●ビタミンB2
エネルギー生産、脂肪酸の合成、分解、たんぱく質の合成に関与する。ビタミンEの抗酸化作用を助ける。 

●ビタミンB6
たんぱく質や脂肪の代謝を促し、グリコーゲンからブドウ糖への転換にも関与。遺伝子の合成に関わり、細胞増殖を正常にする。
 
●ビタミンB12
エネルギー生産に関わる。
葉酸とともに赤血球の生産を行う。葉酸、B6と協力して、ホモシスティンの血中量を低下させ、心疾患のリスクを低減する。

●ナイアシン
500種近い酵素をサポートし、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に必須。特にエネルギー生産では、重要な働きを担当、DNAの修復、合成、細胞の分化に関わっている。
 
●葉酸
約20種類の酵素の補酵素として働き、たんぱく質と核酸の合成に関わる。遺伝子の複製、修復、細胞分裂時の染色体の破損防止、赤血球の形成を支えている。特に妊娠中や授乳中の女性には欠かせない。
 
●パントテン酸
エネルギー生産、タンパク質、脂質の代謝に深く関わっている。副腎を刺激して、ホルモンの生産を促すことで、ストレスに対する抵抗力を生み出す。解毒に関わっている。
 
●ビオチン
4種類の酵素の補酵素として働き、糖質、タンパク質、脂質の代謝・合成に関わる。骨、皮膚、神経組織、血球、髪の健康維持に関与。

レスベラトロール

サプリメントとしては?

昨今、レスベラトロールの効果が注目されています。
肥満のマウスで行われた臨床実験では、レスベラトロールの寿命延長等の効果が立証されました。
とはいえ、ヒトでの臨床効果が示されていないので、過剰な期待は禁物です。

また、このような効果を得るためには、1日当たり赤ワイン約100本分となるので、サプリメントとして効率的に摂取する方法が考えられます。
よって、通常の食生活だけでは、レスベラトロール摂取での寿命延長などの効果を期待することは非現実的です。

レスベラトロールは、ブドウの果皮部や新芽、赤ワインに多く含まれるため、サプリメント原料もブドウ由来が中心です。
主流はフランス産ですが、最近では中国産も出回っています。
抽出原料や抽出法によって含有率には幅がありますが一般に5%程度とごく僅かです。
また、価格も原産国や含有率によって様々ですが、サプリメント原料としては非常に高価です。


サプリメントの場合の注意事項

レスベラトロールの原料として日本ではブドウ由来が使用されますが、レスベラトロールはタデ科の多年草である「イタドリ」にも含まれています。

イタドリ由来のレスベラトロールは、ブドウ由来よりも安価であり、海外のサプリメントには使用されていますが、日本国内では食品への使用が認められない医薬品成分(漢方薬:虎杖根(コジョウコン))となるため、サプリメントに使用すると薬事法違反となります。

最近では、ブドウ由来とイタドリ由来とを混合した原料も 登場してきているようですので、原材料が特定できないサプリメントには注意が必要です。