栄養素の体内濃度は医薬品の影響を受けます。
医薬品を摂取することで、栄養素の体内濃度が減少することが知られています。
医薬品を服用することで、体内でビタミン・ミネラルなどが欠乏すれば、正常な代謝が行われず、治療が期待どおりに進まなかったり、回復が遅れたりすることも考えられます。
そのため、栄養素を欠乏させてしまう医薬品を処方する場合には、その栄養素を補うことのできる食品やサプリメントを併せて勧めることが、治療や回復にも役立ちます。
医薬品による栄養素低減作用には下記のような複数のメカニズムが知られています。
1.医薬品が特定の栄養素の吸収を直接的に阻害する。
2.医薬品が胃腸のpHを上昇させ、栄養素の吸収を阻害する。
(例:葉酸はpH6前後が吸収に適しているといわれています。)
3.胃腸のpHが異常に上昇すると消化管内の微生物が異常増殖し、宿主よりも先に栄養を消費してしまう。
4.栄養素の代謝を変化させ、結果として栄養素の必要量を増大させる。(例:フェニトインと葉酸)
5.ビタミンの活性体への転化を抑制する。
(例:イソニアジドとビタミンB6)
6.栄養素の排泄量を増加させる。
1.医薬品が特定の栄養素の吸収を直接的に阻害する。
2.医薬品が胃腸のpHを上昇させ、栄養素の吸収を阻害する。
(例:葉酸はpH6前後が吸収に適しているといわれています。)
3.胃腸のpHが異常に上昇すると消化管内の微生物が異常増殖し、宿主よりも先に栄養を消費してしまう。
4.栄養素の代謝を変化させ、結果として栄養素の必要量を増大させる。(例:フェニトインと葉酸)
5.ビタミンの活性体への転化を抑制する。
(例:イソニアジドとビタミンB6)
6.栄養素の排泄量を増加させる。
スタチン系の高脂血症治療薬は、その作用機序が、体内でCoQ10を作る工程を阻害してしまうことから、スタチン系の高脂血症治療薬を服用し続けていると、体内のCoQ10が欠乏してしまうと言われています。その様な際には、CoQ10を、別途、体外から補給することが勧められています。
抗菌剤である抗生物質を多量に服用することは、腸内細菌にも大きな影響を与えます。抗生物質は、有害菌(悪玉菌)ばかりでなく、私たちの健康維持に多大な働きをしている 有用菌(善玉菌)をも死滅させてしまい、腸内細菌のバランスは崩れます。
腸内細菌叢が乱れることで、腸内細菌に関係の深い、ビタミンB群、ビタミンKが大きな影響を受け、これらのビタミンは欠乏しやすくなってしまいます。
抗生物質を服用する際には、上記のビタミンを補給することが大切です。
また、乳酸菌を補給するなど、有用菌(善玉菌)を積極的に補給し、腸内細菌叢を良いバランスに保つようにしたいものです。
腸内細菌叢が乱れることで、腸内細菌に関係の深い、ビタミンB群、ビタミンKが大きな影響を受け、これらのビタミンは欠乏しやすくなってしまいます。
抗生物質を服用する際には、上記のビタミンを補給することが大切です。
また、乳酸菌を補給するなど、有用菌(善玉菌)を積極的に補給し、腸内細菌叢を良いバランスに保つようにしたいものです。
テトラサイクリン系の抗生物質は、ミネラルとキレートを生成することで、医薬品とミネラルの両方の吸収が減少する可能性があります。長期的に服用することで、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などの欠乏が心配されます。
抗てんかん薬のフェニトイン、抗炎症薬のスルファサラジン、抗生物質のトリメトプリムは、葉酸拮抗薬なので、これらの医薬品を摂取する際には、葉酸の欠乏に注意が必要です。
| 医薬品の作用 | 名称 | 影響を受けて欠乏しやすい栄養素 | 機序 など |
|---|---|---|---|
| 抗生物質 化学療法剤 | 抗性物質一般 | ビタミンB1、B2、B6、B12、 ビタミンK、ビオチン | 腸内細菌叢の変化。 |
| テトラサイクリン | Mg、Zn、Ca、Fe、ビタミンK、 ビタミンB群 | ミネラルとのキレート生成により、医薬品とミネラルの 両方の吸収が減少。 腸内細菌への影響でビタミンKが枯渇する場合がある。 長期使用によりビタミンB群が枯渇する可能性。 アミノ酸の吸収が減少。 | |
| イソニアジド | ビタミンB6 | イソニアジドがピリドキシンの代謝を妨害する場合がある。 | |
| ネオマイシン | K、Ca、Na、Fe、ビタミンB12、 ビタミンK、ビタミンD、ビタミンA | ビタミンB12の消化管吸収を低下させる。 ビタミンKの利用効率を低下させる場合がある。 多量の服用は、カロテン、Na、Ca、ビタミンB12、Feの 吸収を阻害する場合がある。 | |
| トリメトプリム | 葉酸 | 葉酸拮抗薬なので葉酸の欠乏に注意。 | |
| 抗てんかん薬 | フェニトイン | Ca、葉酸、ビオチン、ビタミンD | ビタミンB6と葉酸は顕著に減少する。 葉酸拮抗薬なので葉酸の欠乏に注意する。 ビタミンD代謝を阻害する。 カルシウムの吸収を阻害する。 ビオチン代謝が増加とビオチン吸収の競合阻害により、 体内のビオチンが枯渇する。 |
| 利尿薬 | フルセミド | Mg、Ca、K、Na | カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムの 尿中排出量を増加させる。 マグネシウムの腎再吸収を阻害する。 血清カルシウム値を低下させる場合がある。 |
| ヒドロクロロチアジド | K、Mg | マグネシウムとカリウムの損失を引き起こす。 | |
| 高脂血症用薬 | コレスチラミン | ビタミンA、ビタミンD、 ビタミンE、ビタミンK | ビタミンA、D、E、Kの吸収を低下させる場合がある。 |
| 抗炎症薬 | スルファサラジン | 葉酸 | 葉酸の吸収を阻害する場合がある。 葉酸拮抗薬なので葉酸の欠乏に注意する。 |
| アスピリン | ビタミンB12、ビタミンC、Fe | ビタミンB12 の吸収不良。 血清の葉酸、ビタミンCの低下の可能性がある。 ビタミンCの排泄量が増大する。 鉄欠乏貧血の要因となったり、悪化させる場合がある。 | |
| 腫瘍用薬 | 抗悪性腫瘍薬(一般) | ほとんどの栄養素 | 粘膜障害 |
| メトトレキサート | ビタミンB12、Ca、葉酸 | ビタミンB12、カルシウム、葉酸の吸収を低下させる 場合がある。 葉酸の輸送と取込みが阻害される。 | |
| 消化性潰瘍治療薬 | シメチジン | ビタミンB12 | ビタミンB12の吸収が減少する。 |
| 抗うつ薬 | アミトリプチリン | ビタミンB2 | ビタミンB2の必要量が増大する。 |
| 抗精神病薬 | クロルプロマジン | ビタミンB2、ビタミンB12 | ビタミンB2の必要量が増大する。 ビタミンB12の吸収を低下させる場合がある。 |
注意:栄養素の欠乏を招きやすい医薬品はこれで全てではありません。
参考文献 : 医薬品-栄養素の相互作用 細谷憲政 第一出版株式会社 2007
参考文献 : 医薬品-栄養素の相互作用 細谷憲政 第一出版株式会社 2007
| 薬の種類 | 効能・効果 | 一般名 | 影響を受けるビタミン・ミネラル |
|---|---|---|---|
| 制酸剤 | 消化不良 | 水酸化アルミニウム 炭酸水素ナトリウム | カルシウム、銅、葉酸 |
| 抗菌剤 | 慢性気管支炎 結核 尿路感染症 | ホウ酸 | ビタミンB2 |
| イソニアジド | ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンD | ||
| トリメトプリム | 葉酸 | ||
| 抗生物質 | 細菌感染症 | ゲンタマイシン | マグネシウム、カリウム |
| テトラサイクリン | カルシウム | ||
| 抗がん剤 | 腫瘍 | シスプラチン | マグネシウム |
| メトトレキセート | カルシウム、葉酸 | ||
| 抗凝血薬 | 血液凝固 | ワルファリン | ビタミンK |
| 抗けいれん薬 | てんかん 発作 | フェノバルビタール フェニトイン プリミドン | ビタミンD、ビタミンK |
| 降圧剤 | 高血圧 | ヒドララジン | ビタミンB6 |
| 抗炎症薬 | 炎症 腫脹 | アスピリン | 葉酸、鉄、ビタミンC |
| コルヒチン | ビタミンB12 | ||
| プレドニゾン | カルシウム | ||
| スルファサラジン | 葉酸 | ||
| 抗マラリア薬 | マラリア | ピリメタシン | 葉酸 |
| 利尿剤 | 高血圧 水分貯留 | フロセミド | カルシウム、マグネシウム、カリウム |
| サイアザイド系利尿剤 | カリウム | ||
| トリアムテレン | 葉酸 | ||
| H2ブロッカー | 消化性腫瘍 | シメチジン ラニチジン | ビタミンB12 |
| 高脂血症治療薬 | 高コレステロール血症 | コレスチポール | 葉酸、ビタミンA、ビタミンB12、ビタミンK |
| 緩下薬 | 便秘 | 鉱物油 | ビタミンD、ビタミンK |
| フェノールフタレイン類 | カリウム | ||
| センナ | カルシウム | ||
| トランキライザー (精神安定剤) | 抑うつ 睡眠障害 | クロロプロマジン | ビタミンB2 |
| 抗リウマチ薬 | リウマチ | ペニシラミン | ビタミンB6 |
参考文献 :
これは効く!ビタミン・ミネラル事典 プリヴェンション・ヘルスブック編 主婦の友社
医薬品-栄養素の相互作用 細谷憲政 第一出版株式会社 2007
これは効く!ビタミン・ミネラル事典 プリヴェンション・ヘルスブック編 主婦の友社
医薬品-栄養素の相互作用 細谷憲政 第一出版株式会社 2007

