アブラナ科野菜の力


冬から春にかけてアブラナ科野菜が美味しい時期ですrelaxed
 

日常的に食べられているアブラナ科野菜にはキャベツキャベツブロッコリーブロッコリーダイコン大根ハクサイ白菜カブカブチンゲンサイチンゲンサイコマツナ小松菜ワサビワサビなど色々ありますが、近年、アブラナ科野菜に含まれるイソチオシアネート類の作用に注目が集まっていますビックリマーク
 
そこで今回は、アブラナ科野菜(イソチオシアネート類)について簡単にまとめたいと思いますbowtie


 
◆イソチオシアネート類のでき方
アブラナ科野菜の植物体の篩部にはミロシン細胞という特殊な細胞があり、ミロシナーゼという酵素が含まれます。
また、柔細胞という細胞にはカラシ油配糖体(グルコシノレート)であるシニグリンなどが含まれます。

 
植物を切ったり、すりおろしたり、噛んだりすると、ミロシン細胞内のミロシナーゼがグルコシノレートを加水分解しイソチオシアネート類を作り出すのです。
※イソチオシアネート類はワサビや大根などの辛味成分ですヒィ~

 
グルコシノレート120種類以上見つかっているようですが、植物によって含まれている種類や量が異なります。
また、グルコシノレート分解酵素であるミロシナーゼは植物中だけではなく細菌やカビなどにも存在しているため、イソチオシアネート摂取による様々な働きは、腸内細菌の持つミロシナーゼによるグルコシノレートの分解が大きく関わっているとも考えられています腸

 
◆イソチオシアネート類に期待される働き
・抗がん作用
イソチオシアネート類には、肝臓の解毒酵素であるグルタチオン-S-トランスフェラーゼやキノンレダクターゼなどの産生を高め、発がん物質の不活性化に関与する成分が存在します。
そのため、アブラナ科野菜には肺がんや胃がんなどのがん予防効果が期待されています。

 
※少し前にブロッコリースプラウトに抗がん作用があるとTVで放映され、スーパーでブロッコリースプラウトが飛ぶように売れた時期がありましたが、ブロッコリースプラウトにはスルフォラファンというキノンレダクターゼの活性を高める成分が多く含まれているため、抗がん作用が強いと言われています。

 
・抗菌作用
ワサビに含まれるイソチオシアネート類の中には強い抗菌活性をもつものがあります。
大腸菌や黄色ブドウ球菌、コレラ、チフスなどに対する抗菌性が確認されているだけでなく、ピロリ菌感染の予防と症状緩和の助けになることが期待されています。

 
・抗血小板凝集作用
アブラナ科野菜の中でも特に畑ワサビの根に含まれるイソチオシアネートは血小板凝集抑制作用が強いと言われています。
このメカニズムは、イソチオシアネートによって血小板膜状の-SH基を修飾することにより、アゴニスト(受容体と結合して生理作用を発現する物質)であるアラキドン酸などの受容体への結合を阻害するためだと考えられています。

※アラキドン酸には血小板凝集作用があります。

 
・ビタミンB1合成増強作用
摂食したイソチオシアネートは腸内細菌のビタミンB1合成に利用され、合成されたビタミンB1は腸管を通して吸収されると推測されています。
実際に、健常者に1日あたり8gのワサビを摂食させると糞尿中のビタミンB1量が増加するが、摂取を中止すると元に戻ることが報告されています。

 
ただ、大量に摂ると中毒を起こしたり、ひどい場合には甲状腺腫誘発などもあるようなので、程々に摂取するのがよさそうですドクロ
水でも酸素でも食べ物でも何事も同様ですが、足りないのも多すぎるのも良くないですねビックリマーク

 
是非、アブラナ科野菜を普段の食事に取り入れてみてくださいニコニコご飯



(さ)

  

<参考>
・食品機能性の化学(食品機能性の化学 編集委員会:編集)
・農業・食品産業技術総合研究機構のホームページ

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