【論文紹介】妊娠中の鉄摂取と自閉症


自閉症児の母親は、妊娠中に鉄サプリメントを摂取していた可能性が低いという内容の報告を見つけました。

今回は論文要旨を参考に「鉄と妊娠女性の関係」について考察したいと思います。

妊娠中の鉄摂取と自閉症に関連する論文

研究目的

2003-2009年の間、“北カリフォルニア小児自閉症リスク遺伝学・環境研究(CHARGE)”に登録した母子を対象に、母親の鉄摂取量と自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもとの関係を検討

参加者

自閉症の子どもを持つ母親520名と、普通に成長している子どもの母親346名。

研究方法

妊娠前3か月から授乳期までの期間、インタビュー形式で参加者のサプリメントやシリアルの摂取頻度・摂取量・ブランド(メーカー)などからの母親の鉄分摂取量を調べた。

研究結果

妊娠前3か月から授乳期までの期間中(特に授乳中)、鉄摂取量の多かった母親から生まれた子どもの自閉症リスクが下がった
また、母親が高齢であることや代謝状態肥満糖尿病などの代謝疾患)である場合、母親の鉄摂取量が低いと、子どもが自閉症となるリスクが5倍増加した。

<論文要旨>

タイトル
Maternal Intake of Supplemental Iron and Risk of Autism Spectrum Disorder
著者
Rebecca J. Schmidt, Daniel J. Tancredi, Paula Krakowiak, Robin L. Hansen, Sally Ozonoff Author Notes
掲載誌
American Journal of Epidemiology, Volume 180, Issue 9, 1 November 2014, Pages 890–900
DOI
10.1093/aje/kwu208
URL
http://aje.oxfordjournals.org/content/early/2014/09/22/aje.kwu208.abstract

閉経前の日本人女性の約70%は鉄不足?

この研究は日本人での試験ではないため結果をそのまま日本人に当てはめることはできませんが、子ども(胎児)の体や脳(神経)などの成長には鉄は不可欠です(もちろん、大人の健康維持にも)。

閉経前の日本人女性の約70%は貧血であると言われていますが、特に妊娠前~授乳中の女性は鉄を不足なく補った方が良く、厚生労働省が示している日本人の食事摂取基準2010年版では、

妊娠初期の方と授乳婦さん …8.5~9㎎/日
妊娠中期・末期の方 …21~21.5㎎/日
の摂取が推奨されています。

食品中に含まれる鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄がある

食品中に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、ヘム鉄は赤身の肉🥩魚🐟レバーなどの動物性食品に多く含まれており、非ヘム鉄はひじき緑黄色野菜🥦などの植物性食品に多く含まれています。

ヘム鉄と非ヘム鉄ではヘム鉄の方が5~10倍も吸収されやすい良いとされていますが、一般的に鉄が多く含まれると言われている食材から鉄を10㎎摂取する場合、その食材量の目安は以下の通りです。

豚レバー …約80g(1人前くらい)
カツオ …約530g(刺身31切れくらい)
ほうれん草(ゆで) …約1.1㎏(小鉢26皿分くらい)
ほしひじき …約18g(小鉢2皿分くらい)

もし、食事で十分な鉄の摂取が難しい場合には、体への刺激が少なく吸収されやすいヘム鉄を含むサプリメントの摂取もお勧めですbulb

鉄の過剰摂取は体に負担を掛けてしまいます。
鉄を大量に補給する場合には、体内の貯蔵鉄を示す血清鉄やフェリチン値を測定した上で、医師の管理下で補給する方が安心です😀

(さ)

厚生労働省ホームページ
日本食品標準成分表2010

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