心理&人間関係編

感情に着目して相手を理解するためには【心理&人間関係編 第6回】

患者様の「痛み」に着目する

人が行動する動機はたった2種類しかありません。
それは「快楽を得たい」という動機と、「痛みを避けたい」という2つの動機です。

例えば、筋トレをしたいと思っている人に対して、次の質問をしたとします。
「なぜ筋トレをしたいと思っているのですか?」

この問いに対する、2つの答えについて考えてみましょう。

  1. 「来月子供の運動会があり、父兄の短距離走があるので、子供にかっこいい姿を見せたいんです!」
  2. 「もうすぐ夏が来て、水着を着る機会があるんです。だから痩せないと、ぷよぷよのお腹では恥ずかしいんです・・・」

①は、「子供の運動会でかっこいい姿を見せる」という、快楽を得ることに、意識が向いています。

②は、「ぷよぷよのお腹を見せることが恥ずかしい」という、痛みを避けることに、意識が向いています。

このように、「快楽」とは「喜び」や「幸福」、「満足」など、正の感情につながるものです。「痛み」とは、「不安」や「恐怖」、「ストレス」など、負の感情につながるものです。

人は、この2つの動機のうち、より強い動機に従って行動していきますが、一般的には「痛みを避ける」動機の方が強いと言われています。

そこで、患者様から以下のように

  • 子供の受験があるから、この時期、絶対に風邪をひけない
  • 少し歩くと疲れてしまう。元気に歩けるよう、体力を落としたくない
  • 最近お肌に年齢を感じている。これ以上、しみが増えないようにしたい

などといった「痛み」についての話が出てきた時には、その痛みを避ける為に、何か手段を講じたいと思っています。

例えば、

患者

子供の受験が近くて、絶対に風邪をひくわけにはいかないんです。

先生

そうですよね、お子様の受験が近いと風邪もひけないですよね。そのお気持ちよく分かります。私も普段から風邪をひくわけにはいかないので、特に栄養面に気をつけています。お陰で風邪をひくことはありませんよ。

患者

栄養面ですか!先生はどんなお食事をされているのですか?やはり栄養バランスが大事なのでしょうか?

先生

もちろん、バランスの良い食事も心がけてはいますが、なかなか日々の食事だけで全ての栄養をバランスよく取るのは、難しいですからね。私の場合は、それに加えて、◯◯というサプリメントも取っています。

このように、「痛み」に共感を示した上で、患者様の痛みを避ける手段として、サプリメントが適切な選択肢の場合には先生はスムーズに提案することができ、患者様も抵抗感なく受け入れてもらえる可能性が高まるでしょう。

ここで大事なポイントは「〜したくない」「〜になりたくない」といった、患者様の「痛みを避けたい」という感情を会話の中で聴き逃さないことです。

また、先生が患者様の話を普段から丁寧に聴いていることで、患者様が先生に話をしやすい関係性になっている、ということが本質的に大切なことなのです。

6つの感情的ニーズを理解する

人は誰しも様々なニーズ(欲求や必要性)を持っています。

例えば、「大切な人と食事をするなら、行きつけの安心できるお店に行きたい」「休日は旅行に行きたい」「仕事で評価されたい」「記念日は恋人と過ごしたい」などです。

そのニーズを大きく分類すると、以下の6つの「感情的ニーズ」に分けることができます。

1、確実感

人は誰でも「安心したい」「安全でいたい」「確信を感じたい」というニーズを持っています。そのニーズが阻害されると、人は不安や恐怖など負の感情を感じてしまい、それを避けようとします。

例えば、知り合いがいないパーティーに行くのが苦手な人は、誰も話す相手がいないのではないかという不安から、安心感を得られないことに痛みを感じています。

2、不確実感

人は、確実感を求める一方で、「変化したい」「多様性を感じたい」「驚きが欲しい」というニーズも持っています。

例えば、仕事やプライベートが安定し、同じような毎日を過ごしていると「退屈だ」「何か新しいことをしたい」と感じ、行ったことのない場所に、旅に出たくなったり、新しい趣味にチャレンジしたいと思うようになります。

3、自己重要感

人は、「自分が尊重されたい」「褒められたい」「正当に扱われたい」というニーズを持っています。

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この記事の著者

橋本 直道(はしもと じきどう)先生

株式会社楽志堂 代表取締役

横浜市立大学卒業後、(株)ユニクロを経て2013年コーチング事業をスタート。主に、経営者や個人事業主向けにエグゼクティブコーチングを行う。2018年恩師であった、(一社)コーチングカレッジ代表の逝去に伴いコーチングスクールのコンテンツ開発、企画、運営、講師として参画。
2019年より、ドクタープロデュース事業をスタート。ドクター向けのブランディング、PR、教育コンテンツ開発を行う。 2021年1月株式会社楽志堂を設立。
「朝起きるのが楽しい世界をつくります」というミッションのもと、コーチングやコミュニケーションを土台とした、ウェルネス関連の新規事業開発やコンサルティング、事業プロデュース、ドクタープロデュースなどを手がけている。
また、2018年には僧堂修行を経て、日蓮宗僧侶としても精進している。

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