ドクターの声

宮田 恵 先生 みやた整形外科医院
(岩手県盛岡市)

岩手医科大学医学部卒業。医学博士。放射線科専門医、日本抗加齢医学会認定医、日本野菜ソムリエ協会認定野菜ソムリエ上級プロ、全日本ノルディックウォーク連名公認指導員

薬や手術と同じように、野菜が必要

治療というと手術や投薬と考える方が多いと思いますが、実際はそれ以外にもサプリメント、漢方薬など色々あります。その中でも、野菜を食べることが大切だと考えています。私は野菜ソムリエになって12年くらいになりますが、その前からそういった指導をしてきました。

医療機関では通常、食品成分表に基づく指導を行っていると思うのですが、それでは野菜の色や味、香りなどが無視されてしまいます。数値だけになってしまうと、冷凍食品などどんな野菜もみんな同じになってしまいますが、おいしい野菜は成分もしっかり含んでいるものがほとんどです。それを、これがおいしいですよ、と紹介しています。

数値に表れていない成分こそがフィトケミカルであり、健康増進やアンチエイジングに役立つと思い指導しています。おいしい野菜の話をして、患者さんが興味を持ってくれて実際に買って食べる。それをコツコツ繰り返すことで徐々に変わってくるし、検査の結果が改善すると患者さんが気づくんですね。食事の大切さ、野菜の大切さに。

まずはドクター自身の健康から

私も様々な学会に参加しますが、ランチョンセミナーなどで出されるお弁当は、「これでいいのかな」と思うものがたくさんあるんですね。もしかして医療関係の方々、特に医師の方々は、おいしい野菜とか健康に良い野菜ってなにかご存じないのかもしれない。そう感じることがあります。

患者さんを治療するためには、先生方がおいしい野菜を食べて、毎日清々しく健康に診察していただくことが大切です。ぜひドクター自身の食生活に野菜を採り入れていただきたいなと思います。
国の施策もあって、保険診療ではなく自由診療がこれからは増えていくのではないでしょうか。その中の一つとして、野菜は大きなファクターだと思います。

「もっと自分の中に採り入れて」と言えるものって、第一に野菜かなと思います

大切なのは、医学的・栄養学的なお話は全ての患者さんに通じるわけではない、ということです。そこで、最初は「じゃあ野菜を食べてみましょうか」というところからお話します。「野菜食べてください」というと「じゃあどんな野菜が良いんですか」と応える患者さんがほとんどです。そうやって、会話の中身が濃くなるんです。

野菜のいいところは、「おいしいとはどういうことなのか」を指導できるんですね。甘さとか旨みだけではなくて、苦かったり辛かったり、酸っぱかったりとか。おいしさにもいろんなものがあります。そういうものを一つ一つ教えてあげる。大人の食育です。
そうやっておいしさを追求していくと、結果的には体が健康になっている。その点で、野菜はとても素晴らしい食材だと思います。
この野菜を食べてください、ということではなく、四季を通じた良い野菜を食べていただきたいですね。患者さんたちもそのほうが実施しやすいと思います。

さいごに

おいしい野菜を探すのであれば、素晴らしい農家さんを探すのが一番です。
ただ、私自身がよく知らない農家さんなのに、ここが良いですよとは言えません。しいていうならば、農家さんの顔が見えるサイトが良いのではと思います。
ヘルシーパスとふるさと21の取り組みに期待しています。