ドクターインタビュー達人に聞く、臨床現場での栄養療法実践法
2026.02.05
なぜ”時間をかける医療“が必要なのか。
もりの医院 副院長・東照代先生が語る、栄養療法とサプリメント導入のリアル
医療法人青志会 もりの医院
副院長 東 照代 先生

栄養療法に関心を持つドクターの中には、「保険診療を行っているクリニックでサプリメントを提供しても良いのか?」「サプリメントの導入は経営面でプラスになるのか?」といった様々な不安を抱えている方が多くいらっしゃいます。また、実際にサプリメントの紹介を行ってみても、思うように成果が上がらずに悩んでいるドクターも少なくありません。
そこで本日は、すでに栄養療法を取り入れているもりの医院 副院長・東照代先生にお話を伺いたいと思っております。
栄養療法を導入したいのに進まない理由。スタッフ説明、仕入れ、時間…現場の実情
東先生、本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
私たちは、栄養療法には課題があると考えています。
サプリメントを診療で活用しようと考える医師は非常に少なく、興味があっても患者さんへの伝え方やスタッフへの説明に悩み、結果として使いこなせていない方が多いです。当社のお客様でも、患者さんに出しているケースは全体の3分の1ほどに留まります。私たちとしては、より多くの先生に院内で上手く活用し、患者さんにも喜んでいただきたい。
そこで、すでに栄養療法を実践し、成果を出している東先生に、具体的な取り組みをお聞きしたいのです。
そうなのですね。
時間が取れない先生方が多いのではないでしょうか。保険治療だけでもやることはたくさんありますから。
興味はあっても、まずスタッフに説明をして、仕入れの担当は誰にしようって決めるとなると、色々と面倒で後回しになってしまうのだと思います。
スタッフ運用の壁をどう越える? 東先生が語る“スムーズな導入”の背景
東先生は、サプリメントの導入にあたって苦労されたことはありますか?
私たちは、サプリメント導入の分担などで悩んだ覚えがなくて。
私が自分で数字を書いて「これだけ注文しておいて」ってスタッフにお願いしたのが始まりですが、スタッフもすぐに慣れてくれて、いまでは在庫がなくなりそうになったら、何も言わなくても注文してくれます。本当にスタッフに感謝しています。
うちのスタッフは、栄養摂取が大切ということにもともと理解があったというのが大きいかもしれません。以前から、私の父が、にがりや鳴門の塩などを取り寄せてスタッフに配ったりして、ミネラルの必要性についてよく話していたのです。栄養医学の勉強に講師を呼んで勉強会をしたこともありました。
では、スタッフの皆さんの栄養への理解は、お父様から受けた薫陶ですか?
子どものアトピーが転機に。食・漢方・栄養療法へ続く学びの始まり
そうなりますね。
私も勤務医の頃は、正直、栄養なんてさほど気にしていませんでした。でも子どもが生まれてから、食や栄養を大事にしたいと思い始めたのです。というのも、うちの子は保育園の頃からアトピーがひどくて。
ちょうどその頃、「野菜ソムリエ」が話題になっていた時期で、私も興味を持って勉強を始めました。そんな中、栄養医学と出会いました。育児をしながら勉強会に通って、同じ時期に漢方も学び始めました。
薬膳の考え方も非常に大切ですが、やっぱり“食だけで”栄養を完璧にまかなうのは難しいじゃないですか。その補助となるのが、サプリメントだと私は考えています。
私自身も、分子栄養学の検査を受けてみたら、「ビタミンやアミノ酸、タンパク質をもっと摂りなさい」と言われたんです。自分に栄養が足りていないことを初めて自覚しました。
お子さんのアトピーがきっかけで、食材、漢方、薬膳、栄養療法を勉強されて、それがご自身への気づきにもなったんですね。
血液解析の結果をもとに出されたサプリメントは、お飲みになりましたか?
買ってはみたけれど、プロテインは継続して飲めなかったです。量が多かったり、おなかが張る感じがしたんですよね。お値段もそれなりにするので、地方で広く患者さんにお勧めするには費用感が合わないかもしれないなというのが、正直な思いでした。その後、ヘルシーパスさんに巡り合いました。
はい。
東先生から「いま別のメーカーのサプリメントを使っているんですが、ヘルシーパスの商品も使っていい?」と相談をいただいたのが最初です。もちろん、当社は自社商品しか使わないでくださいなんて強要する会社じゃないので、「どうぞどうぞ」と(笑)。
その時は、なんとなく失礼にならないか気になったのだと思います。そのようにお返事いただいたのも覚えています(笑)。
余計な添加物がないという価値、サプリ選びで東先生が重視した基準
ヘルシーパスのことは、どうやって見つけられたんですか?
確かネットで見つけて、問い合わせたのじゃないかな。
確認してみたら、2013年にヘルシーパスから分子栄養学のセミナーDVDを購入してくださっていますね。
その後も何枚もDVDを買われているので、当時は子育て中だったから、まずはDVDで学ぼうとされていたのかも。初めてヘルシーパスからサプリメントを買っていただいたのは、その翌年ですね。
昔のことなので細かいことは覚えていないですが、育児をしながらも学びたい思いは強かったです。
商品の内容を確認したら、余計な添加物が使用されていないし、患者さんにお出しするときの価格もリーズナブルで、これだったら徳島県でも提供しやすそうだと思ったのを覚えています。
とくに、お子様の栄養状態を見て必要なサプリメントを選ぶときは、お子様が飲むのにサイズ感もよいのでヘルシーパスさんのサプリメントをお勧めすることがほとんどです。からだに優しい素材からつくるという方針は、今後もぜひそのままでお願いしたいですね。

かしこまりました。
医院では、患者さんはサプリメントをどのように購入されるのでしょうか?
サプリメントをお出しするときは、検査結果から必要な栄養素を説明し、事前問診のお食事内容をアドバイスしたうえで、サプリメントの内容や金額もお示しして検討してもらいます。強制ではなく、最後は患者さんご自身に決めていただけるようにソフトに説明しています。
もちろん、サプリメントの添加物などを含めた内容の情報は患者さんが見比べても難しい部分ではあるので、私から特徴を丁寧に説明します。
問診から栄養の話へ。東先生が行う「原因の深堀り」と治療設計
サプリメントを初診の患者さんに勧める時は、具体的にどうやってご紹介されるんですか?
問診票に食事の内容を書いてもらっているので、それをもとに栄養面の話にも進みやすくなっています。
たとえば、胃が痛いという患者さんがいたら、まずは胃薬を出すことも多いと思います。私たちは、なぜお腹が痛くなったのかを掘り下げて聴きます。話していくうちに「最近、仕事のストレスがすごくて…」「実は胃カメラはしたけど異常がなくてここは3か所目の受診で。」なんて本音が出てきたり、症状が長いと涙を流される方もいらっしゃいます。そうしたら胃薬も大事だけど、まずはそのストレスをどうにかしないといけないのかもしれないですよね。あるかたは、ストレスを漢方でぬいてあげたら胃薬で治らなかった胃の痛みが改善しました。
診療のなかで、お食事の話をしていたら、「ストレスのせいであんまり食べられてない」と。それなら「ストレスに負けない細胞(からだ)をつくりましょう」ということを知っていただくことが大切で、その流れで、「いまの栄養状態を一度調べてみますか?」とか、「ミトコンドリアの働きや、エネルギーを生み出すTCA(トリカルボン酸)サイクルって知っています?」という形で話を深めていくこともあります。
漢方や栄養の話も、時間が許す限り丁寧に説明しています。まずは食事の改善から始めて、必要に応じてサプリメントもご紹介する。そうやって、一つの治療として全体を組み立てています。
素晴らしいですね。
ただ、患者さんとしてはありがたいけど、すごく時間がかかりそう…。
時間をかける医療の意味。最初の丁寧さが、患者さんの変化を生む
実際、めちゃくちゃ時間がかかることがあります(笑)。
でも、時間がかかるのは最初だけですから。はじめにしっかり理解を深めておけば、その後はそれほど大変じゃない。それに、栄養について丁寧に説明してあげると、「感動しました!」「なるほど!」って喜んでくれる方も少なくないです。
先生の患者さんはかなりラッキーですよ。そんなお医者さんに出会えるのって、少なくとも100人に1人以下の確率だと思います。
そうですか。それならより一層、頑張らなければいけませんね。
でも、一人ひとりにあまり時間をかけると、その分、後の患者さんは待つことになって、クレームが来る可能性もありますよね。
そのあたりはどうやって辻褄を合わせるのでしょうか?
それは「ごめんなさい」って。
あ、ストレートに謝るんですね(笑)。
そうです(笑)。
もちろん、待っている患者さんのことは常に気にしてます。お待ちいただいてる方には、先にできそうな検査や物療を受けてもらうなど、心理的に負担がないような工夫はしています。
それでも、お待たせしてお叱りを受けることはゼロではないですが…。

なるほど。
ただ一方で、その方もきっと、自分が初診の時にたくさん時間をかけてもらった記憶があるわけですよね。
そうですね。だから受け入れてくださるのかもしれません。
もちろん、急いでいる患者さんには時間を取って話すことはしないし、「お時間大丈夫?」と事前に聞いたり、患者さんの表情からみえる体調を気にしながらお話するようにはしています。
先生の人柄や、一緒に伴走してくれる安心感が、患者さんに伝わっているのも理由でしょうね。
よくお出しするサプリメントは? 現場で選ばれる理由と患者さんの継続率
いま現在、よく患者さんにお出しするサプリメントって、どんなものですか?当社の商品でなくても構わないので、教えてください。
基本的には、『マルチビタミン&ミネラル』が多いですね。
あとは、『ビタミンD』と『亜鉛』も。『ビタミンD』は価格のうえでも手に取りやすく、検査でも経過を追いやすいため、ご購入される方は多いです。
他社製品の『ルテイン』や『ブルーベリー』も、叔母が加齢黄斑変性になって、いろいろ調べていたタイミングで営業に来てくださったご縁もあり、製品もよいので使用しています。実際の使用量はヘルシーパスさんの商品が一番多いと思います。
ありがとうございます。この3、4年で、購入数も増えましたよね。
初診で栄養の話が腑に落ちて、サプリメントを使用し始めた患者さんは、その後はご自身で買い続けていらっしゃいますか?
多くの患者さんが良いと思って使い続けてくれているように思います。外来に来られるとき以外にもサプリメントを買っていかれるかたもいらっしゃいます。
そういえば、田村さんに一つ聞きたいことがありました。ビタミンDは脂溶性だから、血中濃度を測ると、サプリメントを飲まれた方はしっかり数値が上がりますよね。でも、亜鉛の効果ってどのように確認すればいいのでしょうか?血中亜鉛濃度を測ってもあまり変化が出ないこともあり、摂取量や飲み方を変えても反応がまちまちなんです。
なるほど。実は、亜鉛は血中濃度だけで判断するのは難しいですね。血液中の亜鉛量はあくまで一部の指標に過ぎません。なので、ALP(アルカリホスファターゼ)値や、患者さんの味覚、皮膚、免疫などの臨床症状もあわせて見る必要があります。
血中亜鉛濃度の数値が低いと、欠乏しているのは明確だけど、上がったからといって足りているとは限らないです。細胞内にきちんと取り込まれているかまでは分からないので。
処方の亜鉛では1錠が25〜50mgなので、サプリメントで亜鉛内服量をその数値まで一度にあげるべきか悩むこともありますね。できれば必要最小量で効果をあげたいと思うんですよね。
医薬品にも、亜鉛含有のものがいくつかあります。
ちょうど良さそうなお薬もありますが、徳島では保険適用でお出しできるのでしたっけ?
徳島でも亜鉛補充を保険適用で行えますが、亜鉛だけ補充すると銅欠乏になるのが気になるので、基本的に亜鉛は銅と一緒に摂取していただきたくてサプリメントを勧めるようにしています。
そうなんですね。
たとえば、患者さんから「味がわからなくなった」と訴えがある場合、まず亜鉛を補うことが一般的ですが、必ずしもすぐに改善するとは限りません。栄養療法の先生方によると、こうしたケースでは亜鉛単体ではなく『マルチビタミン&ミネラル』のように複数の栄養素を一緒に補う方法が効果的だそうです。亜鉛は重要ではあるものの、単独で働くわけではないため、複合的なアプローチが必要な場合もあるとされています。
また、そもそも栄養を吸収するためには、胃酸が適切に分泌されていることが前提とされるので、胃酸分泌の指標としてペプシノゲン値を確認するという方法もあると思います。
亜鉛を医薬品で補う場合には、カルノシンとの錯体で吸収率が高いとされる製剤(プロマック)もあります。レモン水や柑橘系ジュースなどの酸性の飲み物と一緒に摂ると吸収が助けられるかもしれません。
ありがとうございます。打つ手ができました。
購入される患者さんが多いビタミンDは「カプセルが苦手な方は、ご飯に混ぜても食べられますよ」と伝えると、皆さん喜ばれます。でも、ある患者さんのご家庭で、ご飯に混ぜて出したところ、おばあちゃんに気づかれちゃったという話を聞きました(笑)。匂いで気づいたんだそうです。

普通は混ぜているところを見られない限りわからないはずなので、その方はかなり敏感な方ですね。いずれにせよ、ビタミンDは骨や免疫の健康をサポートする重要な栄養素です。
ただ、ビタミンDは多く摂れば良いってものではなく、摂取上限値もありますし、毎日適切な量を摂ることが大事です。
またビタミンDが、血中ビタミンDの指標である25(OH)D3に変換されて初めて、からだがそれを利用できる状態になるわけですが、鉄やナイアシンが足りないと、その変換がうまくいかない場合があります。つまり、ビタミンDを摂っても、十分に体内で働かないということです。
単純にビタミンDの量だけじゃなくて、それを働かせるための栄養素が全て揃っていないとダメってことですよね。
その通りです。
医師人生を変えた“育児”という転機
さて、質問に戻りますが、もし先生が栄養療法と出会っていなかったら、どうなっていたと思われますか?
これは難しい質問なので、「どこかで出会っていたはず」と答えさせてください(笑)。
でも、もし仮定するとしたら、私が出産・育児をせずに勤務医を続けていた場合は、栄養療法を学ぶ余裕はなかったかもしれませんね。勤務医を離れて育児をし始めたから、勉強する時間が増えたし、そういう意味では、育児が全てを変えたのかもしれません。
勤務医をしていると、日々の勤務に加え最新の薬の情報を勉強したり、学会発表の準備をしたり、救急や急変の対応をしたりといった感じで、ものすごく忙しかったので、さらに栄養を学ぶところにすぐには辿り着けていないと思います。
問題をかかえるサプリメント市場。 日本と米国で起きている実情とは
病院では「オペ前はサプリメントをやめてください」って患者さんに言いますよね。でも、実は全否定してるわけじゃないはずなんです。
先生方も、安全なサプリメントを逐一判断するのは非常に困難で、手術ではたくさんの薬を使いますから、肝機能異常など起こってしまったときにサプリメントの影響まで考えていられないでしょうから止めておこうっていう判断になると思います。
「手術前にサプリメントを摂るのはやめましょう」っていうドクターの気持ちも、個人的にはすごく理解できます。
先生には、患者さんの飲んでいるものを全部チェックする時間がないので、「とりあえずリスクがあるものを排除しよう」という考え方になるわけですよね。実際、市販のサプリメントには危ないものも多いので、それは正しい判断だと思います。
でも本当は、良質なサプリメントを飲んでいた方が、術後の回復は確実に早いんですよね。
確かに、回復力をたすけるサプリメントは多いですものね。
退院されて落ち着いたら、ご希望者にはサポートしようと思います。
臨床現場で見落とされがちなサプリメントリスク
危ないサプリメントっていうと、たとえば?
「サプリメントはどれでも同じ」というのは大きな間違いなんです。
東京都は、市販のサプリメントについて調査報告を実施し、毎年3月にその内容が公開されています。一番新しい報告を見ますと、「店頭で買える39品目を対象に調査したところ、内22品目に問題があり、ネット通販で購入可能な85品目は、内76品目に問題があった」ということが分かっています。
それは、ずいぶんと多いですね。
はい。毎年、問題のあるサプリメントが大量に見つかっています。
2019年には、国民生活センターが市販のサプリメントを購入し、人工胃液で溶けるかどうかを調べました。すると、4割のサプリメントは溶けなかった。つまり、日本で市販されているサプリメントの中には、体内で吸収できないものも多く含まれているということです。
こうした問題は、日本国内だけに見られるのかというと、そうではありません。アメリカには、民間の独立した評価団体「コンシューマーラボ(ConsumerLab.com)」が存在するんですが、彼らの報告資料によると、最近オンラインのショッピングモールで偽造サプリメントが増えているという話が書いてあるんです。その中には日本でも馴染み深い有名サプリメントメーカーの名前もあるんですが、それらの模造品がAmazonで売られているというのだから、恐ろしいですよね。コンシューマーラボは、サプリメントはブランドの自社サイトから買わないと危険だと結論づけています。
日本でもアメリカでも、不誠実なメーカーが蔓延しているので、ちゃんと選ばないとダメなんですよ。
いままで、患者さんが市販のサプリメントを飲まれているのを止めるようにお伝えすることはありませんでしたが、その話を聞くと心配です。こういうデータは見ておかないといけませんね。
研究で明らかになった、マルチビタミンの真価
サプリの安全性だけでなく、そもそも健康にどれほど役立つかも検証されており、実はマルチビタミンの効果についても、いくつかの研究結果があります。
たとえば、アメリカの国立衛生研究所(NIH)が、40万人を20年以上追跡した複数の研究をまとめたところ、「マルチビタミンを飲んでも寿命が延びるわけではないし、病気のリスクも特に下がらない」という結果が出ています。だから一時期、「サプリメントは飲んでも無駄」と言われていたんですね。ただこの研究は、どんな製品をどのくらい飲んでいたかが自己申告で、成分の質にもばらつきが大きかったという問題点がありました。
そこで、もっと厳密に行われた「COSMOS試験」というのを調べてみると、これは約2万人を対象に、ココアのサプリとマルチビタミンをそれぞれプラセボ(偽薬)と比べたものなんですが、結果は驚くべきものでした。ココアには特筆すべき効果が見られなかった一方で、マルチビタミンを飲んだグループでは、記憶や思考力といった認知機能の低下が平均で約2年も遅れていたんです。しかも使用されたのは、市販されているセントラム・シルバーという製品。つまり、品質が一定のきちんとしたマルチビタミンを継続的に摂ることで、脳の健康が保たれる可能性が示されたというわけです。
さらに別の大規模研究、医師1万5千人を11年間追跡した「Physicians’ Health Study II」では、マルチビタミンを毎日摂取していた人たちで、がんの発症リスクが有意に下がるという結果も出ています。心臓病などへの効果は見られなかったものの、がんの予防という点では確かな差があったんですね。
一方で、ビタミンEやC、βカロテンなどを単独で摂った試験では、ほとんど効果が見られなかったこともわかっています。つまり、ひとつの栄養素だけを補うよりも、バランスよく複合的に摂ることが大事だということです。
なるほど。バランスを意識しながら、きちんとした製品を選ぶことが重要ですね。私も引き続き、患者さんにとって最適な形で取り入れていきたいと思います。
これは、東先生が患者さんに丁寧に説明する理由にもなりますよね。ドクターお墨付きのサプリメントを飲んだ方が安心ですから。良いサプリメントの見分け方について解説するセミナーもあるので、ぜひご活用ください。
階段が上がれない30代、MDS患者の改善。栄養の力を実感した瞬間
再び質問に戻りましょう。印象深い患者さんの症例について教えていただけますか?
印象深い症例だと、30代とまだお若いのに、からだのしんどさを訴える患者さんがいらっしゃったことがあります。階段を上がるのもしんどいっておっしゃっていました。亜鉛の値が低かったので、まず亜鉛をお出ししたら、それだけで階段を上がるのが楽になったというんです。亜鉛補充のみで、こんなに変わるんだと驚きました。
もちろんお食事が一番大事ですが、栄養不足が疑われて体調の悪い患者さんには、サプリメントを使って足りない栄養を補うのが効果的だなと。
ビタミンB1不足だった患者さんにも、ヘルシーパスの『マルチビタミン&ミネラル』を飲んでいただいて、お元気になった症例も結構あります。
患者さんのビタミンB1の状態は、どのように把握されるんですか?
ビタミンB1の血中濃度を測っています。当院では認知症診療にも力を入れていまして、ビタミンB1は脳機能とも関係するので、ご希望があれば自費で測定するようにしています。
なるほど。確かに、ビタミンB1が足りないと、認知機能が落ちますもんね。高齢の患者さんは、ビタミンB1の値を測っておいた方がいいのかもしれません。
他にも印象深い症例がありました。MDS(骨髄異形成症候群)の患者さんで、白血球数もヘモグロビン値もかなり低下してしまっていたんですね。普通なら「注射の治療を始めましょう」となる段階だったようですが、その方の娘さんが栄養療法について調べてくださっていて「ビタミンDとKを試してみてほしい」とお願いされたんです。それで、確認しましたら確かにMDS の改善の報告例がありましたので、主治医の先生とも相談してもらって開始したところ、白血球数が直近5か月で1800~2300の方が、内服後3か月で3800に、ヘモグロビン値も8.8→8.4→7.7→7.4と下がり傾向だったのが内服後3か月に7.9→9.4と上昇傾向になり、現在も注射をせずに経過をみています。主治医の先生と共に慎重に経過を見なくてはいけませんが、少なくとも進行性の悪化が回復しています。
正直、MDSにビタミン療法という発想はなかったのですが、こうした症例を見ると、栄養やビタミンの重要性を改めて実感します。
まさに「栄養の力」を証明する事例ですね。
最後まで、安心できる場所として
「私たちの病院の特徴ってなんだろう」と考えたときに、いつもある患者さんの言葉を思い出すんです。その方は「病院に行くと下を向いてしまうことが多いけど、もりの医院へ来たら上を向いて帰れる」っておっしゃってくださっていたようで。
最高の褒め言葉じゃないですか。
ありがたいですよね。
他にも、末期がんの患者さんで、主治医は他にいたけれど、「東先生やスタッフに会いたいから」と言って、当院のビタミン点滴に通院してくれた方がいます。心理的には私たちのことを主治医だと思っているとまでおっしゃってくださり、最後の最後まで、私たちに会いに来てくれました。私たちとしては、患者さんがそうやって安心できる診療所が他にも増えてくれたらいいなと思います。
「診療は何分以内に終えなくては」と、考えないと経営が難しくなってきていますが、寄り添って話を聞いてあげられる場所が増えるといいのになと思います。もちろん、安定してすすめられる工夫が必要ですが。
AI時代、医療の本質はどこにある? 東先生と考える“これからの病院の価値”
これからの医療機関は、東先生のように「より良い医療と経営の両立」ができるかどうかが、生き残りの鍵になると思います。
保険診療はすでに頭打ちなのに、インフレで人件費も設備費も上がっている。正直、このままでは構造的に厳しい。
さらに、どんどんAIが発達してきて、いまや、患者さんはChatGPTを使えば、自覚症状を打ち込むだけで、ある程度のことは分かってしまいます。電子カルテにもAIが搭載されれば、いわゆる鑑別診断や投薬は、どの医者に行っても似たようなものになってしまう。
そうなると、それ以外の部分で患者さんが喜ぶ価値をつくって、差別化するしかありません。経営バランスを取りながら、そこをきちんと意識できれば、今後も必要とされる病院になると思うんです。
今後、そういう病院が増えていったら嬉しいです。
ただ、国の制度的には、患者さんの話を聞く余裕がない領域が多いのも事実で…。
病院も、ぎりぎりの体制でなんとか経営を回している状況がほとんどですよね。
一人ひとりの患者さんと丁寧に向き合うのは、やっぱりものすごく時間がかかります。初診の患者さんを内科ではどうしても多くは見られません。
でも、時間をかけることで、患者さんの治療への理解が深まってより良い治療につながる。だからこの向き合い方ははずせないです。
東先生は、その向き合いかたをなさってるんですよね、でもドクターの時間をそれだけ使うとなると、正直、無償でやりつづけるのは難しいと思います。
であれば、栄養についての説明は、院内のドクターではないスタッフが担当するか、もしくは『AI東先生』を開発して、患者さんがいつでも質問できる仕組みをつくるか。
そこのバランスは難しいですね。やっぱり人と人だから。伝えた言葉がちゃんと響くのか。
実は、もりの医院は心療内科を標榜する前から、気が付けば医師がカウンセリングもしていて、「心療内科 徳島」でGoogle検索すると、上位に出てきたんですよ。偶然かもしれませんが「涙の外来」という投稿をした時期からさらに多くの患者さんが来られるようになったのでそれがきっかけでしょうかね?「ここ心療内科で合ってますか?」って(笑)。
涙の外来、話を聞くだけで泣ける場所が生まれる理由
「涙の外来」ですか?
はい。患者さんの「心のケア」を大切にしていると、患者さんが診療中に泣き出してしまうことが何度もあります。
もちろん、泣かせるつもりはないのですよ。でも、「話を聞いてもらいたい」「わかってほしい」という思いを抱えて来られる患者さんが多いので、私たちは患者さんと時間をかけて向き合います。すると自然と涙があふれて、心が軽くなる。そんな方がたくさんいるんです。泣くことそのものも、治療の一部になっているのかもしれません。
AIやデジタル技術がどれだけ進化しても、人の手の温もりや心に寄り添う力には代えられないものがあります。だからこそ、東先生たちのように「心のつながり」を大切にする医療が、これからの時代に、ますます求められていくのかもしれませんね。
東先生、本日はありがとうございました!
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誰でもできる「こころ通う診療所(外来)の作り方」
〜こころを繋ぎ、信頼・満足度を高めると経営も安定する〜
医療法人青志会 もりの医院
副院長 東 照代 先生
もりの医院のWEBサイトはこちら ><経歴>
平成10年3月 愛媛大学医学部卒業
平成10年4月 徳島大学病院第一内科勤務
平成11年4月 徳島県立中央病院勤務
平成12年4月 徳島赤十字病院内科勤務
平成14年8月 徳島県立中央病院消化器科勤務
平成16年10月 医療法人青志会に勤務し現在に至る
<所属学会・資格>
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会専門医
日本東洋医学会
日本認知症学会
国際中医師
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