有機農法生産者のご紹介

よしむら農園

福井県

スローフードで食育の大切さを伝える

私は元農協職員です。勤めながら有機農業を始めて、定年後は妻と「環境に優しい農業を通じて安全安心な食べ物を生産する」ことを目標に、農を通じた食育に専念しています。

「楽しく農業をし、田舎を見て遊び、料理し、おいしくいただき、楽しめる仲間を増やす」、これが行動指針です。食事は人間にとって最も大事なもの。スローフードを通じて食育の大切さを訴え、食卓と生産フィールドを結びつけるアクションを起こそうと、田んぼで農業体験受け入れなども行っています。

「身土不二」という考え方があります。人間の体と土地は切り離せない関係にあり、土地でとれた旬のものを食べるのが健康に良いという意味です。地域の食材や料理方法、地産地消などを学ぶ食育はとても大切ですが、都会的な生活をする人々には実践がなかなか難しいのも事実です。それでも、厚かましくても拒まれない程度に、次世代に伝えていくのが私たちの年代の義務だ考えています。

田舎の恵みは、みんなの宝物

いきものいっぱいの田んぼの中で子どもがはしゃぐ田舎のながめ、ぐるりとつながる自然といっしょに人も、お米も、育っています。

これがよしむら農園のコンセプトです。私は3歳か4歳の頃から、手伝うというより田んぼで遊んでいました。いま70歳になり、立場が逆転して田んぼに遊ばれているという感じでしょうか。

昔私が体験したように、今の子どもたちにも農業に親しんでもらうため、農業体験を受け入れています。稲を植える作業だけではなく、田舎に来ること自体が体験学習です。川で遊び、野の恵み山の恵み湖の恵みを少しずつ食べてもらう。そうやって、田舎の本当の良さを知ってもらえるように努力しています。

健康な心身は健康な環境から

農薬や化学肥料、除草剤を使わなければ、川や海の生物も守られます。合鴨農法や有機JAS栽培では、微生物やミミズ、ドジョウ、カエル、鳥など、たくさんの生き物が田んぼに集まり、自然の食物連鎖が行われます。

この若狭町には「三方五湖」、全国名水百選「瓜割の滝」など、山々を源とする豊富で綺麗な水があります。ホタルが住めるこの集落の特性を利用し、多様な生き物や植物が循環と共生のなかで支え合えるような農業をすることに誇りを持っています。

福井県では2017年から「いちほまれ」という新しい品種の米を作ることになり、よしむら農園は有機での試験栽培の認定を受けました。行政とも協力し、環境と健康づくりを続けていきます。