【論文紹介】塩分より糖分の方が高血圧の原因?


高血圧の原因は「塩分(ナトリウム)」というのが今の常識です塩

しかし先日、「The wrong white crystals: not salt but sugar as aetiological in hypertension and cardiometabolic disease(高血圧の原因は塩分よりも糖分)」というタイトルの面白い記事を発見しましたbulb

今回はこの内容を簡単にご紹介したいと思いますblush

【内容】

<論文要旨>
http://openheart.bmj.com/content/1/1/e000167.full

これは、アメリカの医師らによるレビュー。

循環器(心血管)疾患は先進国における早期死亡原因の第1位であり、高血圧はそのリスク因子として重要。

現在、血圧を下げるために減塩が推奨されているが、食塩(ナトリウム)の摂取量を減らすことで、糖尿病患者における心血管疾患や全死因死亡率の増加うっ血性心不全の患者における入院および死亡率の増加など、健康にとって良くない事につながることを示唆する報告がいくつかあるショック!
(1日の食塩摂取量が3g未満では健康上問題で、3~6gは必要だとも言われている)

そして、基礎実験や調査研究あるいは臨床研究から、砂糖に含まれている(果糖(フルクトース))が高血圧の重要な要因であることが分かってきている。
また、砂糖(果糖)が多様なメカニズムにおいて心血管疾患の要因であるというエビデンスもある。

果糖としては果物由来のものではなく、甘味料として使用される異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)に注意が必要だと筆者らは指摘している注意

加工食品などに添加されている糖からのエネルギー量が、1日に摂取する総エネルギー量の25%以上を占める人は、10%未満の人に比べて心血管疾患のリスクが3倍も高く、さらに、果糖の摂取量が1日74g以上だと血圧が140/90mmHg以上となるリスクが30%高まり、160/100mmHg以上となるリスクは77%も高くなるというドクロ

WHOは果糖についての具体的な提言を行っていないが、以下のように勧めているサゲサゲ↓

「私たちの健康のためには、加工食品などに添加されている砂糖は、総摂取カロリーの10%以下(より健康を目指すには5 %以下)にする必要がある。それは、1日2,000kcalのエネルギーを摂取する場合、摂取目安量はせいぜい30~60g程度である。」

そして最後に、筆者らは以下のように述べているサゲサゲ↓
果糖摂取量が多くなると血中脂質のバランスが悪化し、空腹時血糖も上昇し、メタボリックシンドロームのリスクは2倍になる。いくつかの食事ガイドラインは添加の砂糖摂取について勧告しているが十分ではなく、果糖に着目して基準を示しているものはない。しかし、はっきり示すべき時がきている。」

このレビューに紹介されている「果糖(フルクトース)によって引き起こされる高血圧の流れ」は、以下の図のように紹介されています。
2016061407

(OpenHeart 2014;1:e000167.参照)

異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)は砂糖よりも扱いやすいため、清涼飲料水や菓子類、調味料など様々な加工食品に利用されていますコカ・コーラプッチンプリンアイス
製造上のメリットはあっても、私たちの体へのメリットないですね…きっとあせる

また、異性化糖を避けるために合成甘味料(人工甘味料)を使用した「0kcal(低エネルギー)」の飲料や菓子類を摂取されている方も多いかと思いますが、合成甘味料にも注意が必要ですビックリマーク

人は老化とともに血管が固くなるため、年齢が上がるにつれて血圧が上がるのは仕方のない事ですしょぼん
しかし、血管年齢(老化)は酸化糖化が主な原因であるため、その人の生活習慣や食事内容で大きく異なりますbulb

血管を若々しく保つためには、抗酸化物質を十分に摂取して、血糖値を急激に上げないような食事が大切ですにこにこキラキラ

また、塩分よりも糖分(果糖ブドウ糖液糖)が高血圧に関わってると言っても、日本人は欧米諸国などと比較して元々塩分の摂取量が多いため、必要以上に食塩を摂らないようにすることもやはり大切ですlaughing

今の日本で普通に生活していると、異性化糖(果糖ブドウ糖液糖)の摂取を0(ゼロ)にすることは難しいかもしれませんが、意識を変えて購入する食品を選択することで摂取量を減らすことが可能ですグッド!

高血圧対策としてだけでなく全身の健康のために、清涼飲料水や菓子類、調味料などの加工食品を購入する場合には、しっかりと原材料をチェックeyesしたいものです。

※果物には果糖が含まれることで有名ですが、果物には果糖だけでなくビタミンやミネラル、ポリフェノール類、食物繊維など有用な成分がたくさん含まれるため、果物を過剰に避ける必要はありませんビックリマーク

  

(さ)

  

<参考>
・http://openheart.bmj.com/

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