【論文紹介】抗生物質の使用が2型糖尿病につながる?


抗生物質(抗菌薬)は細菌感染症の治療に用いる薬で、ウイルス感染症や真菌感染症に対しては効果がありません

これから寒くなって空気が乾燥する季節は風邪が流行りますが、風邪のほとんどはウイルス感染だと言われています。
しかし、日本では「風邪=抗生物質で治る」といった間違った認識が広がっているため、風邪の診断を受けた場合に抗生物質の処方を希望される方が多くいらっしゃるようですショック!

抗生物質の使用によって心配になるのは、「細菌の抗生物質への耐性獲得」「副作用」「アレルギー」などがありますが、今回は「抗生物質の使用と2型糖尿病との関係」について調べている論文を発見しましたので、その内容を簡単に紹介したいと思いますbulb

●抗生物質の使用が2型糖尿病につながる?
2型糖尿病の患者はそうでない人に比べて、診断前の数年にわたってより多くの抗生物質を使用する傾向が高いようだ、という内容の研究報告ですサゲサゲ↓

【目的】
最近の研究によって、抗生物質の使用が腸内細菌叢の著しい変化を引き起こし、腸内細菌叢の変化が栄養代謝に影響を与えることが分かってきている。
また、抗生物質の使用は肥満の発症と関連しており、2型糖尿病患者におけるグルコース恒常性障害とも関連していると言われている。

そこで抗生物質の使用が2型糖尿病の発症リスクに影響を与え、どんな種類の抗生物質に起因しているのかを調べる

【対象】
デンマークに住む170,504名の2型糖尿病患者糖尿病ではない1,364,008名の人々

【方法】
デンマーク人を対象とし、3つの国民保健登録者の医療記録から2型糖尿病患者と糖尿病でない人々の抗生物質服用歴を調査(症例対照研究)。

【結果】
・糖尿病でない人の抗生物質の1年間の使用回数は平均で0.5回だったのに対し、糖尿病患者では0.8回であった。

抗生物質の処方回数が多くなるほど2型糖尿病と診断されるリスクも高くなった。

・多くの種類の抗生物質で2型糖尿病との関連が見られ、特にベータラクタマーゼ抵抗性ペニシリンや制菌性ステロイド(フシジン酸)などの抗生物質で2型糖尿病のリスクが高かった。

・広域スペクトラム(多くの種類の菌に効果がある)抗生物質や静菌抗生物質と比べ、狭スペクトラム(限られた種類の菌に効果がある)抗生物質殺菌抗生物質の方が2型糖尿病との関連が強かった

【まとめ】
抗生物質の使用によって2型糖尿病のリスクを高める可能性がある。

<論文要旨>
http://press.endocrine.org/doi/10.1210/jc.2015-2696

抗生物質を使用することで必ず2型糖尿病になるわけではありませんが、この論文では、抗生物質の使用と2型糖尿病の関連性が示唆されています。

溶連菌、マイコプラズマ、クラミジアなどの細菌感染症の治療には抗生物質が必要です。
しかし、風邪などの抗生物質が不要な病気にはむやみやたらに抗生物質は使用しない方が良さそうですねビックリマーク

これからの季節は気温が下がって体が冷えやすく、また空気が乾燥して風邪をひきやすくなります。
しっかりと栄養休養をとって風邪をひきにくい体づくりを心掛けたいものですにこにこ

2016061536

  

(さ)

  

<参考>
・リンク・デ・ダイエット 世界の最新健康・栄養ニュース(http://www.nutritio.net/linkdediet/news/FMPro?-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=50994&-lay=lay&-Find)
・メルクマニュアル 医学百科 家庭版(http://merckmanuals.jp/home/%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87/%E6%8A%97%E7%94%9F%E7%89%A9%E8%B3%AA/%E6%8A%97%E7%94%9F%E7%89%A9%E8%B3%AA.html)
・独立行政法人労働者健康福祉機構 関東労災病院HP(http://www.kantoh.rofuku.go.jp/hanasi/tabid/340/Default.aspx)
・農林水産省HP(http://www.maff.go.jp/j/keiei/hoken/saigai_hosyo/s_yoko/pdf/2-3_2.pdf)

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