コエンザイムQ10の基本と臨床


年齢と共に体の中で減っていくと言われるコエンザイムQ10(CoQ10)。

健康や美容などの目的で摂取されている方もいらっしゃるのではないでしょうかはてなマーク

たまにですがCoQ10についてのお問い合わせもありますので、今回は、CoQ10の基本と、臨床での使用例について簡単にご紹介したいと思いますニコニコ
 

 
●CoQ10の基本
CoQ10はエネルギー代謝や抗酸化などの生命活動に重要な補酵素(コ・エンザイム)で、体内で合成することもできますが20代をピークに体内での生産量は大幅に減少ダウンすると言われています。


CoQ10には「酸化型」と「還元型」の2種類の形がありますが、摂取された酸化型のCoQ10は体内で還元型に変換された後に利用されるため、最初から還元型を摂取することで、変換力の衰えがちな中高年以降の方でも効率よく補うことができると考えられています。

 
●CoQ10と臨床
<ドライマウス>
ドライマウス(口腔乾燥症)は、薬剤の副作用やシェーグレン症候群、精神的ストレス、生活習慣病、筋力の低下などが複合的に関わり、その結果として唾液の分泌量が低下して発症すると考えられています。
唾液は消化液として機能する以外に、殺菌・抗菌作用、口腔粘膜の保護、pH調節などの重要な役割を担うため、ドライマウスになると舌痛症、う蝕や歯周病、味覚障害、口臭、感染症、接触嚥下障害などの病態にもつながる可能性が出てきますドクロ

 

唾液を分泌させるには、唾液分泌細胞を正常に働かせる必要があります。
CoQ10はミトコ ンドリアでのエネルギー代謝の一端を担うため、CoQ10摂取によりエネルギー 生産が増えることで、唾液分泌機能を増進できると期待されていますビックリマーク


鶴見大学歯部 斎藤教授らは、ドライマウスの患者様で還元型CoQ10摂取群とプラセボを比較したところ、還元型CoQ10摂取群の方が唾液中のCoQ10濃度および唾液分泌量が促進したと報告ました。
(Ryo K et al.Clin Biochem 44:669-674,2011)

<片頭痛>
片頭痛は成人の約1割、特に女性は男性の4倍程度の有病率で、20~40代に多いと言われています♂女

人によっては吐き気やおう吐を伴う深刻な現代病のひとつで、その原因は脳血管の拡張と炎症や、ストレスにより脳が過敏になることだと考えられています。

また、ミトコンドリアの機能低下により脳内エネルギーが不足することも要因であるとされています。


そのため、CoQ10を摂取することで脳細胞のミトコンドリア機能を正常にし、それと同時に、優れた抗酸化作用で他の臓器よりも活性酸素が多量に発症する脳細胞を保護することで、偏頭痛が改善できると期待されています。

ある試験によると、CoQ10を1日150㎎、3か月間摂取したところ、32名の患者で1か月あたりの片頭痛の頻度が半減したことが分かりました。
(Rosen et al.Cephalalgia 22:137-141)

<心不全>
心不全の原因は、主に心筋細胞のエネルギー不足と活性酸素によるミトコンドリア損傷だと考えられています。
約30年前からCoQ10はうっ血性心不全の補助薬おくすりとしても使用されていますが、医薬品としての処方量は1日30㎎が限界です。
実際にはそれよりも高容量摂取の方が心不全患者への効果があると言われ、欧米ではCoQ10サプリメントの高容量摂取による心不全対策が広まっています心臓

<その他>
・オーストラリアで行われた慢性腎臓病患者による二重盲検無作為化プラセボ比較試験で、CoQ10を1日200㎎単独摂取もしくはオメガ3系脂肪酸1日4gとの併用摂取を8週間続けたところ、併用群で心拍や血圧、血中中性脂肪値が低下ダウンしたことが分かりました。
(J Hypertens.2009 Sep;27(9):1863-72 )

 
乏精子症患者を対象にCoQ10を1日60mg、12~16週間摂取させたところ、精子濃度、総精子数、総運動精子数が上昇アップし、高度乏精子症患者では運動率も上昇アップしたという報告があります。
報告があります。 (日本不妊学会雑誌 .1984; 29(4):452-7)

 
・二十盲検無作為化クロスオーバー試験で、健常者にCoQ10を1日100㎎、300㎎、またはプラセボを8日間摂取させたところ、1日300㎎の摂取群ではプラセボ群に比べて主観的な疲労度が低く、自転車自転車による付加試験をかけても疲労度が軽減したとの報告があります。
(Nutrition. 2008 Apr;24(4):293-9)

なんだかCoQ10を摂取してみたくなりませんか?

CoQ10は肉類マンガ肉や魚介類うお座などに多く含まれ、西欧型の食生活をしているときの食事からの平均摂取量は1日当たり5~10 mg程度ということです。


疲労回復や症状の改善のためには、サプリメントの形(できれば還元型)で補った方が良いかもしれないですねニコニコ音譜

  

(さ)

  

<参考>
・国立健康・栄養研究所のホームページ
・還元型コエンザイムQ10とドライマウス(株式会社メディアパーソン)
・還元型コエンザイムQ10と片頭痛(株式会社メディアパーソン)
・還元型コエンザイムQ10と心不全(株式会社メディアパーソン)