ブログで脂肪細胞関連の内容が続いていますが、今回も脂肪細胞関連です(笑)
今回ご紹介する内容は、強い抗酸化作用を持つポリフェノールとして注目を集めるレスベラトロールに白色脂肪細胞をベージュ細胞に変える働きが期待できることが分かってきているようですので、その研究がされている論文をご紹介したいと思います
ちなみに、みなさんはレスベラトロールと似た形をしているプテロスチルベンという成分をご存知ですか
プテロスチルベンはレスベラトロールが油に溶けやすいような構造になっているもので、油に溶けやすくなることで吸収されやすく体内に留まりやすいため、レスベラトロールよりも働きが良いと言われています
また、脂肪細胞については以前のブログでまとめているので、是非参考にしてみてください。
⇒白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞とベージュ細胞
●レスベラトロールはベージュ細胞を増やす
レスベラトロールの摂取が白色脂肪細胞をベージュ脂肪に変換する、という内容の研究報告です。
【目的】
哺乳類の脂肪細胞には白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞、ベージュ細胞がある。
白色脂肪細胞はエネルギーを脂肪としてため込こみ、褐色脂肪細胞はエネルギーを熱に変換し、ベージュ細胞は白色脂肪細胞中にエネルギーを熱に変換するタンパク質（UCP-1）の発現が増加して褐色脂肪細胞化したものである。
このため、白色脂肪細胞をベージュ細胞に変化させられれば肥満の減少に役立つと考えられる。
近年話題になっているブドウなどに含まれるポリフェノールのレスベラトロールには体重増加を抑える働きがあることが示唆されているが、そのメカニズムは不明である。
そこで、レスベラトロールの体重増加を抑える効果は白色脂肪細胞をベージュ細胞に変化させることが関わっているかどうかを調べる。
【方法】
＜in vitro：細胞を用いた実験＞
白色脂肪細胞から単離した間質血管細胞にレスベラトロールを添加し、ベージュ細胞生成マーカーを測定した。
＜in vivo：動物実験＞
生後5か月の雌マウスに0.1％のレスベラトロール入りと無添加の高脂肪食（脂質エネルギー比45％）を4週間与えた。
※活性化タンパク質キナーゼ（AMPK）α1の関与に関してはノックアウトマウスを使用して評価
【結果】
レスベラトロールによる効果は以下の通りです。
＜in vitro＞
・レスベラトロールを添加することでベージュ細胞が形成されることが示唆された。
・褐色脂肪細胞のマーカーであるmRNA（PRDM16、Cidea、Elovl3、PGC-1αなど）やタンパク質（UCP-1、cyto c、PDHなど）の発現を有意に増加
させた。
・ベージュ細胞に選択的なマーカー（CD137、Tbx1、TMEM26）の発現を増加させた。
＜in vivo＞
・レスベラトロール無添加の高脂肪食を与えられたマウスに比べて体重増加が約40%少なく、体脂肪の蓄積も少なかった。
・白色脂肪細胞をベージュ細胞に変化させ、UCP-1が増加し、脂肪酸を燃やしやすくした。
・AMPKα1のリン酸化反応が増加し、さらに酸素消費が著しく増加した（エネルギー消費アップ）。
【まとめ】
レスベラトロールは、AMPKα1を介して白色脂肪細胞のベージュ細胞形成を引き起こし、白色脂肪細胞が褐色化した結果、酸素消費が増加していることを示唆している。
＜論文要旨＞
http://www.nature.com/ijo/journal/v39/n6/abs/ijo201523a.html
今回はちょっと難しい内容でしたが、簡単に言うとレスベラトロールの摂取をすることで脂肪が燃焼されやすくなるかもしれないようです。
レスベラトロールはやブドウやブルーベリー、ラズベリー、イチゴ、リンゴなどにレスベラトロールを含めたポリフェノールが豊富に入っているそうです
フルーツは糖質が多いからと避けている方もいらっしゃいますが、是非毎日の食事に取り入れたいですね:blush:
でももし、果物ではなくてサプリメントでの摂取を考えている場合、前述した通りレスベラトロールよりも働きの良いプテロスチルベンがお勧めです。
また、プテロスチルベンには肥満対策だけでなく「がん対策」「血糖値の調節作用」「脂質異常症対策」など様々な効果が期待されており、本当にすごい成分なのです
レスベラトロールを摂取していても体感がない方、是非プテロスチルベンを試してみてください
（さ）
＜参考＞
・リンク・デ・ダイエット 世界の最新健康・栄養ニュース
・http://www.researchgate.net/publication/273468110_Resveratrol_induces_brown-like_adipocyte_formation_in_white_fat_through_activation_of_AMP-activated_protein_kinase_(AMPK)_1
