【論文紹介】喫煙で精神病症状のリスクが上昇


喫煙は百害あって一利なし」と言われることがありますねタバコ

先日、喫煙と精神病疾患との関係を調べた論文を見つけましたので、今回はその内容について簡単にご紹介しますpoint_up


●喫煙で精神病症状のリスクが上昇
喫煙と精神病発現が関係していることについてイギリスのキングス・カレッジ・ロンドンの研究者らがメタ解析を行った研究ですサゲサゲ↓

【背景】
精神病と喫煙との関係はよく知られているが、精神病を患う人々が一般の人よりも喫煙をする理由についてはハッキリとしていない。
理由についてはいくつかの説があるが、多くの場合は喫煙によって精神病症状緩和につながることが言われており、喫煙が疾患のリスクを高めるかもしれないという可能性についてはほとんど注目されていない

そこで、いくつかの仮説を立ててメタ解析を行った。

<仮説>
①精神病症状を最初に発症した人々は、すでに過剰な喫煙をしている。
②日常的な喫煙はその後の精神病疾患のリスク増加と関連している。
③日常的な喫煙はより低年齢での精神病症状発症と関連している。
④低年齢で喫煙を始めることは精神病症状発症のリスク増加に関連している。

【方法】
Embase、Medline、およびPsycINFOより論文を検索し、以下のようにデータを抽出した
1.精神病と最初に診断された時の喫煙者と非喫煙者の割合を同定
2.前向き縦断研究より日常的な喫煙者と非喫煙者における精神病のリスクを確認
3.日常的な喫煙者と非喫煙者における精神病症状発症時の平均年齢(標準偏差付)を確立
4.精神病障害と診断された患者における喫煙開始時期を確認

また、喫煙の開始時期と精神病発症年齢の加重平均差を計算し、横断研究と前向き研究からの相対リスクからオッズ比を算出した。

【調査結果】
・検索された3,713の論文のうち、72件の調査を含む61の研究が選択基準を満たし、基準を満たした調査結果には14,555喫煙者と273,162非喫煙者が含まれていた。
喫煙者の精神病症状の発症率は非喫煙者の3.22倍だった。
日常的な喫煙者における新しい精神病症状の発症率は非喫煙者の2.18倍だった。
日常的な喫煙者は非喫煙者に比べてより低年齢で精神病症状を発症した。
精神病を患っている人は有意ではないがより低年齢で喫煙を始めた

【まとめ】
日常的な喫煙は、精神病のリスク増加と低年齢での精神疾患の発症に関連している可能性がある。
そして、精神病が喫煙をもたらす可能性もあり、さらなる調査が必要。

<論文要旨>
http://www.thelancet.com/journals/lanpsy/article/PIIS2215-0366(15)00152-2/fulltext

また、喫煙者のメンタルヘルスについて調査した26件の研究をメタ解析した研究があります(Change in mental health after smoking cessation:systematic review and meta-analysis)。

これによると、喫煙する参加者に禁煙に取り組んでもらい、禁煙の前後での不安障害、ストレス、生活の質などの変化について質問した結果、禁煙に成功した人たちは失敗した人たちに比べて、不安障害が37%、うつが>25%、不安と抑うつの混合が31%、ストレスが27%それぞれ低下ダウンし、生活の質が向上し積極的になったと感じる人が22%増えたアップそうです。

喫煙をすることでリラックスでき、ストレスがたまっているからこそ喫煙したいという人もいるかもしれませんが、喫煙が体へストレスを与えるだけでなく、精神的にもストレスを与えてしまう可能性がありますscream

喫煙するから精神疾患を患うのか、精神疾患を患っているから喫煙するのかはまだ分かりませんが、喫煙しないに越したことはなさそうですビックリマーク

2016061521

  

(さ)

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