お酒と一緒に摂るなら糖質?それとも脂質?


アルコールは糖質だから、お酒を飲むときは糖質を避けている。
という方が多いですね。
また、お酒を購入する時に糖質オフを選んでいる方もよく見かけますeyes

しかし生化学的な観点で考えると、アルコールは最終的に酢酸(脂肪酸)になるので糖質というよりも脂質だと言えますビックリマーク
なので、お酒を摂取するときは糖質よりも脂質を控えた方が良いと考えられるのです驚きびっくり

そこで今回は、「アルコールと糖質、脂質」について生化学的な内容を交えて簡単に説明したいと思いますbulb

●大量のアルコールを代謝する時に起こる事
①糖新生の抑制
体の中で糖(グルコース)が作られなくなり、さらに乳酸の合成が促進されます。
<症状>
・低血糖症状
・高乳酸血症

②β酸化の抑制
脂肪酸の分解が抑えられ、体に脂肪がつきやすくなります。
<症状>
・肝臓への脂肪蓄積(脂肪肝)

③クエン酸回路の抑制
アルコールが代謝されるときにできる物質(NADH)が過剰にあるとクエン酸回路の流れが抑えられ、さらに糖質摂取が少ないことでクエン酸回路が回りにくくなります。
そのため、アルコールの代謝産物(酢酸)からできるアセチルCoAは、エネルギー(ATP)ではなく脂肪酸やコレステロールの合成に使われます。
<症状>
・脂質異常症

≪大量のアルコール摂取と栄養素の代謝≫
2016061513

●炭水化物の摂取がラットのアルコール性脂肪肝の予防に重要
ラットにおけるアルコール性脂肪肝に対する炭水化物摂取の役割についてまとめた論文があります(J Hepatol. 1998 Nov;29(5):715-24.)。

これによると、総カロリーの36%となる量のアルコールと共に低糖質食(タンパク質:17%、脂質:36%、炭水化物:11%) または高糖質食(タンパク質:17%、脂質:5%、炭水化物:42%)を4週間摂取させたところ、低糖質食のラットの方が肝臓の中性脂肪のレベルが高くアルコール代謝時に肝臓を傷つける酵素(CYP2E1)が著しく増加したそうです。

つまり、大量のアルコールを摂取する際には糖質をたくさん摂取した方が脂肪肝を防ぐことができる可能性があるということですbulb

上記のラットの試験のアルコール量を日本人の成人男性が摂取しようとすると、日本酒では約6.5合程度摂取することになりますお酒
さすがにこれだけの量のお酒を毎日のように飲む方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、アルコールを代謝して脂肪としてためないでエネルギー(ATP)にする時に糖質(グルコース)が必要なのは間違いありません。
クエン酸回路はグルコースがないと回らないですからね:simple_smile:)
また上の図を見ても分かるように、糖質を控えてアルコールと共にたくさんの脂質を摂取すると、脂質が体に蓄えられやすくなってしまうのです。

以上より、アルコールを摂取する時に控えなければいけないのは、糖質よりもむしろ脂質だということが分かっていただけたでしょうかはてなマーク
飲んだ後は脂たっぷりのラーメンではなく、おにぎりや雑炊、お茶漬けなどがお勧めですよにこにこキラキラ

また、アルコールを含む栄養素の代謝にはビタミンミネラルなどの栄養素が必須です。
不足なく補うようにしましょうビックリマーク

※適度な飲酒は血糖値を下げるため糖尿病の発症を抑制し、多量飲酒は発症を促進する可能性があります。
糖尿病の方は血糖値のコントロールが必要なので、飲酒や糖質の積極的な摂取はお勧めできません

  

(さ)

  

<参考>
・イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書29版
・一目でわかる医科生化学(発行:メディカル・サイエンス・インターナショナル)
・http://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0005b.htm
・http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9833908
・厚生労働省HP e-ヘルスネット