◇旬の食材のご紹介◇ 3‐4月、10‐12月カブ


春の七草で「すずな」として登場するカブは冬が旬のイメージがありますが、旬は年に2回あり、3~4月も美味しく食べられる野菜です。

今回は、今の時期に甘みがあって美味しくなる「カブ」についてご紹介します💡

カブはどんな野菜?

カブはアブラナ科アブラナ属の植物で、キャベツや白菜と同じ仲間です。

ヨーロッパでは紀元前から、日本(中部地方)では縄文時代後期から焼畑で栽培されていたと言われ、もっとも古く伝播した野菜のひとつです。

「日本書紀」には、持統天皇が五穀の助けとしてカブなどの栽培を勧めた記録がある他、江戸時代には凶作時の対策として栽培が奨励されるなど、重要な食糧として全国で栽培されるようになりました。

カブの品種は大きく「アジア系品種」と「ヨーロッパ系品種」に分けられ、アジア系品種は主として西日本に、ヨーロッパ系品種は主に東日本に分布しています。
また、根の部分の大きさにより「大カブ」、「中カブ」、「小カブ」に分類される他、白カブ、赤カブ、青カブなど色による分け方もあり、全国各地に約80の品種があります。

どんなカブがあるの?

金町小カブ

東京都金町付近が原産のヨーロッパ系品種で、関東を中心に周年栽培されている小カブ。
きめ細やかで真っ白な肌をし、肉質は柔らかく繊細な甘みがある。

天王寺カブ

大阪市天王寺付近で生まれ、関西を中心に主に 西日本で栽培されているアジア系品種で、中カブの代表的な存在。
扁球形で、葉や茎まで柔らかく、甘みもある。

温海カブ

山形県の山間地帯で焼畑栽培されていた、庄内藩名産のヨーロッパ系品種のカブ。
340年以上前から、昔からの焼畑農法で栽培されている。
外皮は紅紫色だが中は白く、肉質は固めで漬物に向いている。

聖護院カブ

京都の伝統野菜のひとつで、関西を中心に栽培されているアジア系品種のカブ。
日本最大のカブで、大きいものは5㎏ほどにもなる。
繊維が少なく甘みがあり、京都名産の「千枚漬け」に利用される。

日野菜カブ

滋賀県特産のアジア系品種のカブ。
根が25~30㎝と細長く、地上に出て日が当たった部分は赤紫色をしている。
肉質は固めで、漬物に利用される。

カブに含まれる栄養素

カブは、根と葉の部分で栄養素が異なるため、根と葉に分けて含まれる栄養素をご紹介します。

根の栄養素

根は淡色野菜に分けられる。
大根とよく似た栄養構成で、ビタミンCカリウム食物繊維などを含む。
また、デンプン分解酵素(アミラーゼ)が含まれているため、生で食べると消化・吸収を助け、胸焼けや食べ過ぎの不快感の解消に役立つ。

葉の栄養素

葉は緑黄色野菜に分けられる。
ベータカロテン、ビタミンE、B1、B2、C、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維などを豊富に含む。
栄養学的にみると根より葉の方が様々な栄養素を多く含んでいるため、捨てずに活用するのがお勧め。

お勧めの選び方と保存方法

選び方

つややかでキメが細かく、ハリのあるものがお勧め。
また、茎がしっかりとしていて葉の緑色が濃く、シャキッとしているものが新鮮。
ひび割れていたりシミのあるもの、柔らかくなっているものは古くなっている可能性。
大きすぎるものは育ちすぎている可能性があり、スが入っていたり筋がたって固いことがあるため避けた方が良い。

保存方法

根が葉の水分を吸ってしまうため、根と葉を切り分けて別々に保存しましょう。
根も葉もラップで包むかビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するのがお勧め。
葉は固めに塩ゆでしてから水分をしっかりと絞り、ラップに包んで冷凍保存も可能。

まとめ

根の部分はアクが少ないので下茹でする必要がなく、そのまま調理できます。
漬物、煮物、蒸し物、汁物など様々な調理で楽しめますが、消化酵素やビタミンCを活かすなら、 生のままサラダにするのがお勧めです。
もし加熱調理する場合には、火の通りが早いため煮崩れに注意が必要です。

葉はアクが強いので、軽く下茹でしてから使うのがお勧めです。
脂溶性栄養素であるベータカロテンやビタミンEは油脂と一緒に調理すると吸収率が高まるため、油炒めやきんぴらなどの料理にすると良いでしょう。

ちなみに我が家では、根の部分は浅漬けや酢の物で、葉の部分は炒め物にすることが多いです。

これからの時期は歓送迎会などで暴飲暴食して胃薬を飲むこともあると思いますが、そんな時は薬に頼る前に、デンプン分解酵素が含まれる生のカブ大根タンパク質分解酵素が含まれるキウイフルーツパイナップルなどを活用してみるのはいかがでしょうか😄❓

(管理栄養士 さ)

独立行政法人 農畜産業振興機構サイト①
独立行政法人 農畜産業振興機構サイト②
農林水産省サイト
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養辞典 (吉田企世子:監修)

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