月経周期とからだの変化


厚生労働省では、毎年3月1日から3月8日までを「女性の健康週間」と定め、女性の健康づくりを国民運動としています📢✨
今回は「女性の健康週間」にちなんで、「月経周期とからだの変化」について紹介します!

月経とは?

思春期以降の女性は、毎月ホルモンの影響によって子宮内膜が厚くなり、妊娠をする準備をしますが、
月経は、妊娠のために準備された子宮内膜が不要となり、はがれて血液や内膜組織、粘液などが子宮外に排出される現象のことを言います。
初めての月経は初潮初経などと呼ばれ、平均12~13歳(小学校6年生~中学校1年生)ごろに迎えると言われていますが、9歳(小学校3年生)で迎える人や、16歳(高校1年生)になって迎える人など個人差があります。

逆に月経の永久的な停止のことを閉経と呼び、45歳以上の女性で1年間以上月経がこなければ、閉経と判断されるそうです。

月経周期とは?

月経周期とは、月経初日から次の月経の前日までの期間を指し、一般的に周期は約1ヶ月(28日)の間隔で、月経期間は3~7日程度が正常だと言われています。

<月経周期の一般的な例>


月経が始まって6~7年までは排卵周期が確立していないことも多いので、思春期では多少ずれがあります。しかし毎回周期が違っていても心配はないようです☺👌

しかし、大人の場合、睡眠不足やストレス、風邪などの体調不良によって一時的に月経周期がずれることもあります。
不順な状態が長く続く場合には、ホルモンバランスがくずれている可能性が高いため、一度、主治医に相談するようにしましょう。

【豆知識】月経周期の乱れについて
妊娠の可能性がなく、規則正しく月経が来ている方は、予定日から1~2週間、月経不順の方は2~4週間様子を見ても月経が来ない場合に受診を検討してください。
多少早まったり遅れたりしても、月経予定日の前後2~5日程度のずれなら正常の範囲内ですので安心してください。

月経周期とからだの変化

月経周期は、複数のホルモンの複雑な相互作用によって調節されていて、「卵胞期」、「排卵期」、「黄体期」の3つに分けられます。

【豆知識】月経周期にかかわる主な女性ホルモン
・エストロゲン
 「妊娠の準備」をするホルモン。
 卵胞を成熟させて排卵に備えたり、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くする役割。
・プロゲステロン
 「妊娠を成立・継続」させるホルモン。
 受精卵が着床しやすいように子宮内膜を柔らかくし、体温上昇や乳腺の発達に関与。
 プロゲステロンの分泌が増えると、気分が落ち込んだりイライラすることがある。
・黄体形成ホルモン
 排卵とプロゲステロンの分泌を促すホルモン。
 下垂体前葉から分泌され、卵胞期の中間から急激に血中濃度が高まる。
・卵胞刺激ホルモン
 卵胞の成長とエストロゲンの分泌を促すホルモン。
 下垂体前葉から分泌され黄体形成ホルモンと一緒に働き、卵胞期の中間から急激に血中濃度が高まる。

卵胞期

卵胞期は、月経による出血の最初の日(1日目)から始まります。
この期間に起きる主な現象は、卵胞の発達です。
平均的には、卵胞期は約13~14日間続き、子宮内膜が水分と栄養分を豊富に含んで厚くなりはじめ、妊娠の準備を始めます!

排卵期

黄体形成ホルモンの血中濃度の急上昇とともに始まり、ホルモンの影響で卵胞から卵子が放出(排卵)されます。
この時、卵胞刺激ホルモンの血中濃度はやや小幅に上昇しますが、この卵胞刺激ホルモンの血中濃度上昇のメカニズムはまだ解明されていません。

排卵期は通常16~32時間続き、排卵の前後に下腹部の左右どちらかに鈍い痛みを感じることがあります😨💦

黄体期

排卵が終わった後の卵胞が、黄体と呼ばれる状態に変化し、多量のプロゲステロンが分泌されます。
また、黄体期の大半にわたって、エストロゲンの血中濃度は高いまま維持されるため子宮内膜を増殖させます。

エストロゲンとプロゲステロンの血中濃度が上昇すると、乳房内にある乳管が拡張するため、乳房が膨らんだり、圧痛(触れると痛むこと)が生じることがあります💥

黄体期で妊娠が成立する場合、子宮内膜の一部は胎児を育てるための胎盤を支えますが、妊娠しなかった場合は子宮内膜を体外に排出して子宮内をリセットするために月経が始まります。

 

毎月当たり前のように来ている月経ですが、このように脳やホルモン、卵巣、子宮がまるで精密機械のように連帯して働いているのです🧠!

しかし、上記のように子宮は月に一度ダイナミックな破壊と再生を繰り返すため、からだの約1.5倍の速さで老化すると言われています。(女性の平均寿命が85歳で閉経が50歳だと仮定)

子宮や卵子(卵巣)を若々しく保つことは、毎月の月経を楽にして、気分の安定や、産みたい時に産めるからだの準備だけでなく、お肌の潤いや女性らしさをキープするためにも大切です💓!
食生活の見直しや休養、運動、禁煙など意識して生活していただければと思います。

まとめ

日本では月経のことを「月のもの」や「女の子の日」と表現する場合がありますが、海外でも似たような言い換えをしているようで、世界には5,000以上の月経スラングがあるようです。
日本だけでなく世界中でもタブーとされており情報収集源も少ないため、正しい知識をもつことが難しいといわれています😨💦
今回は「月経周期とからだの変化」について紹介しました。今後も現代女性の生活に役立つ情報を提供してまいりますので、次週もお楽しみに! 

MSD マニュアル 家庭版

くすりと健康の情報局

厚生労働省HP

鈴木明子 跡見学園女子大学文学部紀要第四十八号(二〇一三年三月十五日)

 

この記事の著者

ゆーみん

管理栄養士

株式会社ヘルシーパス 企画開発部 / ためになる栄養講座・ブログ・お問い合わせ担当

自分自身のアレルギーと偏食がきっかけで管理栄養士を志向。大学卒業後は給食委託会社に就職し介護食からスポーツ栄養まで幅広い食に従事。

読んでいただいた皆さんに「ためになった」「面白かった」と思っていただけるようなブログづくりを心掛けています。

自己紹介ブログ ⇒ 新しいメンバーの自己紹介(管理栄養士:荒木)

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