【論文紹介】プテロスチルベンは紫外線によるマウス皮膚がんを防ぐ


近年、その働きに注目が集まってきているプテロスチルベン

プテロスチルベンの働きとして「皮膚がんの予防効果」についての論文が発表されていますので、今回はその論文を簡単にご紹介したいと思いますblush

●プテロスチルベンとは?
赤ワインなどに含まれる「レスベラトロール」は認知度が高まってきているためご存知の方が多いかと思います。
プテロスチルベンはこのレスベラトロールの構造の2か所の水酸基(-OH)がメチル化されてメトキシ基(-OCH3)になっている物質です。

2016061503

レスベラトロールは水に溶けやすい水溶性の成分ですが、このわずかな違いによってプテロスチルベンはレスベラトロールと比較して油に溶けやすくなり、その結果、吸収されやすく長く留まることができますbulb

インドの伝統・民間療法であるアーユル・ヴェーダでは、古くから糖尿病治療のひとつとしてプテロスチルベンを多く含むマメ科の植物が用いられてきているそうです音譜

プテロスチルベンに期待される有効性は以下の通りですサゲサゲ↓

<プテロスチルベンの有効性>
・がん抑制
・LDLコレステロールの低下
・血糖値、インスリン抵抗性の改善
・抗炎症作用
・抗酸化作用
・認知機能改善

●プテロスチルベンは紫外線によるマウス皮膚癌を防ぐ
プテロスチルベンはがん幹細胞を抑制させ、乳がん発症や再発の予防大腸がんの予防などの効果が報告されています。

今回ご紹介する論文では、マウスを用いた試験で「プテロスチルベンの皮膚がんの予防効果」が認められています。

【目的】
紫外線(UVB)の皮膚ダメージによる皮膚がんに対するプテロスチルベンの効果を調べる。

【方法】
無毛マウスをプテロスチルベン投与群とコントロール(プテロスチルベン非投与)群に分けてUVBを照射した。

【結果】
・プテロスチルベンは強烈なUVB(360mJ/cm2)によって起こる光老化に関連した皮膚のシワや肥厚、発赤を防いだ

・プテロスチルベンを与えたマウスの90%は皮膚がんを発症しなかったのに対し、プテロスチルベンを与えていないコントロールのマウスは全て皮膚がんを発症した。
→レスベラトロールではなくプテロスチルベンは習慣的に当たるUVB(180mJ/cm2、週に3回、6か月間)が引き起こす皮膚がんを有意に防いだ

【まとめ】
・プテロスチルベンの抗がん作用は肌の抗酸化防御の維持(例えばグルタチオンレベルやカタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼの活性)と、UVBが産生する酸化ストレスの抑制(8-ヒドロキシ-2′-デオキシグアノシン、カルボニル化タンパク質、イソプロスタンを酸化ストレスマーカーに使用)に関連していた。

・プテロスチルベンによって誘発される光防護作用の根底にある分子メカニズムは、HaCaT(ヒト皮膚細胞)を用いてさらに評価し、潜在的な調節であるNrf2依存抗酸化反応に影響を与えることが示された。

<論文要旨>
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0891584915001513

プテロスチルベンと言えば「がん予防」ですが、最初のプテロスチルベンの紹介でもあるように、この他にも脂質代謝糖代謝などにもとても良い影響を与えますビックリマーク

例えば脂質代謝では、試験管内での実験ですが脂質降下薬であるシプロフィブラートよりもプテロスチルベンの方がその活性が高いことが示されています(A.M. Rimando, et al,; J. Agric. Food Chem, 53,6403(2005))。

また、糖代謝に関しては動物試験で血糖降下薬のメトホルミンとプテロスチルベンを比べると、プテロスチルベンはメトホルミンの約1/10量で同等の血糖降下作用が見られています(L. Pari & M.A. Satheesh; Life Sci, 79,641(2006))。

プテロスチルベンについては様々な研究がされていますが、摂取量は、コレステロール抑制糖尿病認知機能に対する研究では、1日50~150mgのプテロスチルベンの摂取で効果が期待できると考えられています。

また、肌への有用性試験(美白等)では1日180mgの摂取で有効性が認められたというデータもあります。

プテロスチルベンのがん抑制効果については当社でもヒト試験を行っていますが、その結果では1日180㎎の摂取でがんに関わるマイクロRNAが良い方向に変化し、抗がん作用が期待できる事が分かりました。

  

(さ)

研究・論文紹介 関連記事もご覧ください

\この記事が気に入ったらフォロー/

Facebook

最新情報をお届けいたします