コリンとイノシトール


ビタミン様物質に分類される、コリンやイノシトールがどんな栄養素かご存知でしょうか❓

今回は「コリンとイノシトール」について簡単にまとめたいと思います💡

コリンとは?

水溶性のビタミン様物質に分類され、その働きからビタミンB群に属します。
最初、豚の胆汁から抗脂肪肝因子として単離されたため、ギリシャ語の胆汁を意味する「chole」にちなんでコリンと命名されたそうです。

天然の食物中にはある程度のコリンが含まれていますが、自然界ではホスファチジルコリン(レシチン)スフィンゴミエリンの形で存在していることが多いです。

そして、生体内ではアミノ酸のセリンメチオニンなどから合成され、神経伝達物質であるアセチルコリンの前駆物質として働きます。

しかし、コリンは「胃のムカつきを引き起こす」、「匂いが生臭くなる(魚臭様体臭)」、「腸内細菌によって分解されてトリメチルアミンを生成する」という心配があります。

※魚臭の原因となるトリメチルアミンは腸管から吸収されたのちに肝臓で代謝されてトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)になるが、血中にTMAOが多いと動脈硬化のリスクが上昇することが知られている。

また、ホスファチジルコリンも腸内細菌に分解されるとコリンとなり、最終的にTMAOを生成します(Wang Z, et al. Nature 2011;472:57-63、N Engl J Med 2013; 368:1575-1584)。

肉、卵、魚の摂取量とTMAOの血中濃度との間に関係は見らませんが、乳製品の摂取量が多い場合にTMAOの血中濃度が高いという結果があります(J Nutr. 2016 Feb;146(2):283-9)。

血液中のトリメチルアミン濃度が高いと動脈硬化のリスクが上がることが懸念されていますが、コリンの摂取によって肝臓の健康、胎児の成長、脳の機能維持など様々な働きが期待されます。
コリン(ホスファチジルコリン)の摂り過ぎはよくありませんが、不足なく補うようにしたいものです。

なお、日本ではコリンはビタミンに分類されないため摂取基準で摂取目安量が設定されていませんが、アメリカでは1日に成人男性が550㎎成人女性は425㎎がコリンの推奨量(耐容上限量は1日3,500㎎)として設定されています。
アメリカでの基準を参考に補給してみてはいかがでしょうか?

コリンが多く含まれる食品

※食品100g中に含まれるコリンの量(ホスファチジルコリン含む)
・卵黄(生) …680㎎
・牛レバー(生) …330㎎
・全卵(生) …250㎎
・鶏レバー(生) …190㎎
・大豆(生) …180㎎
・豚赤身肉(生) …81㎎
・鮭(養殖・生) …79㎎ など

※肉類にはカルニチンが多く含まれ、カルニチンの摂取でも腸内細菌によってTMAOが生じることが分かっています。

乳製品や肉類ではなく、大豆などからコリンを補給するのが良さそうですね。

コリンの効果

・気管支ぜんそく
・胎児の神経管欠損症の予防
・アルツハイマー病
・持久運動における疲労の遅延
・小脳性運動失調

イノシトールとは?

コリンと同様にビタミン様物質に分類され、ビタミンB群に属します。
イノシトールには9つの異性体が存在し、その中で唯一生物活性を持っているのがミオイノシトールであり、一般にイノシトールという場合にはミオイノシトールを意味します電気

またイノシトールはイノシットとも呼ばれ、植物中では遊離型のイノシトールまたはそのリン酸エステルフィチン酸として存在し、動物体内ではイノシトールまたはイノシトールリン酸の形で存在しています。

腸管から吸収されたイノシトールは血中ではほとんどが遊離型をしていますが、細胞内でホスファチジルイノシトールに変換されます。

豆類穀物ナッツ類などの植物種子はイノシトールの含有量が多いですが、その大部分はフィチン酸です。動物はフィチン酸をほとんど吸収できず、逆に鉄や亜鉛などのミネラルの吸収を阻害してしまうという問題があります。

植物種子以外では、オクラジャガイモマスクメロンオレンジナシ鶏レバーなどに多く含まれていますので、こういった食べ物から補給することをお勧めします。

イノシトールの効果

・パニック症候群
・強迫神経症
・多のう胞性卵巣症候群
・統合失調症
・アルツハイマー病
・自閉症
・うつ病

胎児の神経管欠損症の予防としては葉酸が有名ですが、コリンも有効です。
妊婦さんは葉酸だけでなくホスファチジルコリンも不足なく補給すると良さそうです。

また、イノシトールは多のう胞性卵巣症候群に効果が期待されることから不妊対策にお勧めです。

特に妊娠を希望している人や妊娠中の女性がビタミンB群を含むサプリメントを摂る場合には、ホスファチジルコリンやイノシトールが含まれているものを探すのが良いでしょう。

(さ)

・ビタミンの辞典(朝倉書店)
・国立健康栄養研究所 「健康食品」の安全性・有効性情報
・ナチュラルメディシン・データベース 健康食品・サプリメント[成分]のすべて
・イラストレイテッド ハーパー・生化学 原書29版
・東京医科歯科大学 サイト(http://www.tmd.ac.jp/mri/cph/members/PDF/nikkei_carnitine2013July.pdf)
・USDA National Agricultural Library
・https://fnic.nal.usda.gov/sites/fnic.nal.usda.gov/files/uploads/recommended_intakes_individuals.pdf)
・https://www.ars.usda.gov/SP2UserFiles/0400525/Data/Choline/Choln02.pdf

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