
ヘモグロビンA1c(HbA1c)は過去2ヶ月程度の血糖平均値を評価する指標として用いられます。
今回は「ヘモグロビンA1cと血糖値コントロール」について紹介します📈
ヘモグロビンA1cとは
血液中には赤血球があり、そのなかに酸素を運ぶヘモグロビン(Hb)というタンパク質があります。
食生活や運動習慣により血糖値が高い状態になると、ヘモグロビンに糖が結合してしまい「グリコヘモグロビン」という物質に変化します。
この糖と結合したヘモグロビンの割合をパーセントで表したものがヘモグロビンA1cです。
血糖値は1日の中で変動しますが、ヘモグロビンA1cは過去1~2ヶ月程度の平均的な血糖値を反映するため、検査当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。
そのため、血糖値の検査だけでは分からなかった隠れ糖尿病または糖尿病予備群の発見に役立ちます🧐✨
ヘモグロビンA1cの基準値
一般的な基準値は4.9~6.0%と言われ、特定健診では空腹時血糖値100ml/dl以上またはヘモグロビンA1Cc5.6%以上を高血糖の基準としています。
※もしヘモグロビンA1cが6.5%以上と確認された場合は、糖尿病である可能性が高いため医療機関での検査がすすめられます
糖尿病は痛くもかゆくもないので自覚症状がないのが特徴ですが、血糖値が高いと血管にダメージを与え、からだの至るところに悪さをします💦
特に、「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経障害」などは糖尿病の3合併症と言われ、失明や人工透析、手足のしびれや筋力低下などの自律神経障害の大きな原因です。
しかし、ヘモグロビンA1cの値を正常値に近づけることで、血管への負担を減らして合併症を防ぐことができるため、値が高めの方は日頃の生活習慣を見直してみましょう💭
ヘモグロビンA1cを上げないためには
血糖値を良い状態でコントロールすることが、ヘモグロビンA1cを上げないポイントです!
食事のポイント
血糖値をコントロールするには糖と上手に付き合うことが重要です。
糖は生きていく上で重要な栄養素であり、エネルギーを産生し、生命の維持や身体活動に利用しています。
この糖を細胞内に取り込んでエネルギーに変え、血糖値を下げる役割をしているホルモンがインスリンです。
しかし、たくさんの食事を一気に食べると、血糖値が急激に上がりインスリンが通常より多く分泌されるため、
インスリンを分泌している膵臓に負担がかかり、疲弊しやすくなります。
その結果、インスリンの分泌量が減少したり、分泌されても十分に機能しなくなったりなどの問題が生じて、やがて血糖値をコントロールできなくなる可能性があります。
日本人を含むアジア人は欧米人に比べ相対的にインスリンの分泌量が少ないことが知られているため、バランスの良い食事はもちろんですが、食べすぎや食べるスピードに注意しましょう。
【豆知識】血糖値を緩やかにしてくれる食物繊維
食物繊維を多く摂ることで糖質の吸収スピードが緩やかになり、血糖値の急激な上昇が抑制されます。
特に水溶性食物繊維は、でんぷんを消化・吸収する速度を遅らせる働きがあるためおすすめです!
運動のポイント
血糖値を下げる運動には、食後のややきついと感じるくらいの有酸素運動や筋力トレーニングが効果的だといわれています。
最近の研究では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることによって、より血糖値低下効果があることが明らかになっています。
まとめ
血糖値を正常に保つことは、年齢を重ねるごとに難しくなってきます。
血糖値の急上昇は糖尿病や糖尿病合併症のリスクになるほかにも、肥満や骨粗鬆症の発症にもつながる可能性があります💦
血糖値が高くなってから食事の改善や運動習慣を付けることは難しい場合もあるため、元気なうちから気を付けていただきたいです🍀
また、ヘモグロビンA1cは平均的な血糖値を表し、日内変動や日差変動は把握できないため、血糖値スパイクや低血糖を見ることはできません。
近年では、血糖値が気になる場合に自分で血糖値をはかる血糖自己測定(SMBG)もありますので、値を記録しておくのも良いと思います!







ゆーみん
管理栄養士