認知機能改善に朗報!?プラズマローゲン


90歳以上の人口が250万人を超え「人生100年時代✨」といわれています。
2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になるとも推計されており、いくつになっても自らの意思で生活するためには早くからの予防が大切です。
今回は、認知機能の改善で注目されている「プラズマローゲン」を紹介します。

プラズマローゲン(plasmalogens)とは?

分布

プラズマローゲンとはリン脂質の一種で、人間をはじめ動物や海産物まで広く分布されており、日常的にある程度の量を摂取していると思われます🍴
人ではすべてのリン脂質の約18%を占め、心臓や骨格筋など、酸素をたくさん消費する部位に多く存在し、特に脳に多いのが特徴です。

神経炎症抑制やアミロイド形成抑制効果があり、アルツハイマー病の治療や予防の可能性を期待されています。

構造の特徴

プラズマローゲンは他のリン脂質とは異なる特殊な構造として、ビニルエーテル結合をもっています。
この特殊な構造は酸素との反応性が強く、高い抗酸化作用を発揮することで知られています💪✨

心臓および骨格筋にはコリン型プラズマローゲン、その他すべての臓器にはエタノールアミン型プラズマローゲンが多いことが知られています。

 

食事から摂れるの?

食材

海産物のホタテ貝、海鞘(ホヤ)、動物性の牛肉・豚肉・鶏肉などがプラズマローゲンの供給源として知られています。
(牛海綿状脳症が発生して以来、ウシ由来の原料を用いることが困難となっています。)

中でも、鶏卵生産能力が減少した親鶏は、肉質が若鶏に比べて硬く、精肉の利用に適していないため有効利用方法が長年の課題でした。
親鶏にはプラズマローゲンが豊富に含まれていることがわかり、種類および飼育環境の違いによるプラズマローゲン組成の変動は少ないため、安定した供給源として期待されています。
各部位に含まれるプラズマローゲンの概算量は100g当たり74mg~398mgの範囲で、ハツ(心臓)で最も高く、肝臓では低値でした。
肉部ではもも肉、むね肉、ささ身の順で多く含まれています。

吸収

日常的に摂られている鶏可食部には100gあたり70mg以上のプラズマローゲンが含まれています。
有効摂取量を大幅に超える量を食事から摂っているにも関わらず、1日1mg程度のプラズマローゲン濃縮物の摂取によって脳機能改善効果が発現する機構については明らかになっていません。
今後、食材中の鶏プラズマローゲンの存在状態が生体利用性に及ぼす影響についても人工消化試験などを行って検討する必要があると考えられています。

 

プラズマローゲンに期待される効果

経口投与による精製プラズマローゲンの効果について生理学的メカニズムはまだ不明ですが、それぞれの原料由来のプラズマローゲンでの研究がすすめられています。
機能性表示食品として認められているものもあります。

脳機能への効果
・神経炎症の抑制
・ミエリンの形成促進・機能維持
・アミロイドβ蓄積抑制
・グリア細胞活性化抑制
・神経細胞の発達・修復・再生
  ⇓
脳機能改善
●軽度アルツハイマー病などの認知症正常老化に伴う認知機能低下の予防・改善の可能性

 

その他
●アテローム性動脈硬化症のバイオマーカー
●腸の炎症・酸化ストレスの減少
●結腸粘膜におけるアポトーシス関連タンパク質の発現を減少

 

機能性表示食品
●言葉を記憶し思い出す能力「言語記憶力」を維持する機能
空間認知や場所を理解する能力といった記憶力を維持する機能

 

アルツハイマー病発症の仮説研究

認知機能の低下に寄与するものは、ストレス、運動不足、睡眠不足、栄養の偏り、聴力低下などの脳への刺激減少、糖尿病、動脈硬化などがあります。
それらの因子がなぜアルツハイマー病を発症させるのか「神経炎症・プラズマローゲン仮説」も提唱・研究されています🔎✨

 

様々な危険因子が脳神経細胞膜での神経炎症とプラズマローゲンの減少を起こし、結果として神経ネットワークの崩壊をきたす可能性は大きいと推察されています。

 

まとめ

MCI患者への研究では「期待」や「希望」など人々の精神状態が、脳組織のプラズマローゲン濃度を変化させる可能性が示唆されていました。
プラズマローゲンは加齢に伴い4割ほど減少すると言われていますが、明るく前向きな思考も脳機能を改善するためには大事なことなのかもしれません😊🎵

臨床研究はまだ少数ですが、神経細胞膜の重要な構成成分であるプラズマローゲンをはじめとした脂質の摂取が様々な疾病をを予防する可能性に希望がもたれています。

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新福尚隆,仁明会精神医学研究第18巻1号(2020)
プラズマローゲンってなに?,丸大食品
JoseCarlosBozelliJr.et al.,frontiersin.org(2021)
山下真司et al.,Ephantus Nguma(2021)

 

この記事の著者

はっしー

管理栄養士

株式会社ヘルシーパス 企画開発部 / ブログ・ニュースレター・お問い合わせ担当

ドラッグストアと食品スーパーを展開する企業の販売促進室で管理栄養士&美容アドバイザーに従事。
健康と食をつなぐ情報の発信・社内教育・栄養相談会・美容接客を通じて、体内外へのアプローチを探求。
現在は、中高生3人の母として思春期の食事づくりに奮闘中。

多くの情報があふれる中、みなさまがご自身の健康とQOLの維持・向上のためにより良い「選択」をしていただけるよう、お役に立つ情報を発信していきたいと思っています。

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