
ビタミンDは、脂溶性の栄養素であり、近年、特に注目が集まった栄養素のひとつです。
今回は「ビタミンDのエビデンス」についてライフステージ別に紹介します!
目次
ビタミンDとは
ビタミンDは、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)と、ビタミンD3(コレカルシフェロール)の総称で、脂溶性ビタミンのひとつです🍀
サプリメントで摂取する場合にはビタミンD2よりD3の方が優位に血中濃度(25(OH)D3)を上昇させると言われています。
ビタミンDが欠乏すると、ビタミンD欠乏症や骨軟化症、骨粗鬆症、むし歯、心不全、感染症、免疫力低下などのリスクが高まります。
近年では、特に、感染症や免疫力に注目が集まったことは皆さんの記憶にも新しいと思います。
また、ビタミンDの摂取目安量※については以下のとおりです。
a :日照により皮膚でビタミンDが産生されることを踏まえ、フレイル予防を図る者はもとより、全年齢区分を通じて、日常生活において可能な範囲内での適度な日光浴を心掛けるとともに、ビタミンDの摂取については、日照時間を考慮に入れることが重要である。
※推奨量:ある一定の栄養状態を維持するのに十分な量。
ビタミンDと子ども

身長の成長率
ビタミンDはカルシウムの吸収や骨の恒常性維持に必要不可欠な栄養素です。
エコチル調査※の詳細調査の参加者を対象に、2歳~4歳時点での身長と体重と血中ビタミン D濃度、ならびに日光ばく露に関するアンケートを実施したところ、ビタミンDが欠乏している子どもよりも欠乏していない子どもの方が身長が大きく、血中ビタミン D 濃度と成長率の関連が明らかになりました。
(倉岡祥平et al.;Nutrients. 2022 Aug 13;14(16):3325. )
※エコチル調査
環境省が実施しており「エコロジー」と「チルドレン」を組み合わせた造語。
赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時から定期的に健康状態を確認し、環境要因が子どもたちの成長・発達にどのような影響を与えるのかを明らかにする調査。
エコチル調査の結果から、子どもの健康や成長に影響を与える環境要因を明らかにし、子どもたちが健やかに成長できる環境、安心して子育てができる環境の実現を目指している。
神経の発達
ビタミンDはビタミンでありながら、ホルモンとしての一面ももっています。
ビタミンD活性化酵素は脳の視床下部や小脳などに存在し、ビタミンD受容体は脳のいたるところに存在しているため、神経の調節や保護作用、脳の発達などに関与しています。
エコチル調査の詳細調査参加児を対象に、血清 25(OH)D 値と神経発達を測定したところ、
ビタミンD欠乏群の男児において、認知やコミュニケーション発達の遅れがみられました。
(Kahoko Yasumitsu-Lovell et al.;Acta Paediatr. 2024 Jan;113(1):119-126.)
ビタミンDと妊婦

妊娠しやすい体づくり
最近ではビタミンDの妊孕性における役割について注目されています。
2010年から2016年の間に妊娠を望む女性を対象に、血液検査と妊娠の有無について調べたところ、ビタミンD欠乏のない女性と比較して、欠乏している女性では受胎能が推定45% 低下しました。
(A M Z Jukic et al.;Hum Reprod. 2019 Nov 1;34(11):2163-2172.)
流産リスクの軽減
母体ビタミンDと流産、ビタミンD治療と流産の関連を調査した無作為化試験および観察研究を対象としたシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、ビタミンD欠乏症と診断された女性は、ビタミンDが欠乏していない女性と比較して、流産のリスクが増加したことがわかりました。
(Jennifer A Tamblyn et al.;Fertil Steril. 2022 Jul;118(1))
ビタミンDと高齢者

認知症対策
ビタミンD受容体とビタミンD活性酵素は脳に存在しているため、血清中のビタミンD濃度と認知機能の変化について多くの研究がすすめられています。
2002年から2010年の間に登録された外来診療所の参加者を対象とした縦断的多民族コホート研究では、ビタミンD欠乏と不足の人でエピソード記憶と実行機能が低下しており、ビタミンDは認知症対策効果が期待されています。
(Joshua W.Miller et al.;JAMA Neurol. 2015;72(11):1295-1303.)
サルコペニア対策
国立長寿医療研究センターが進める長期縦断疫学研究で蓄積された縦断疫学データを用いて、ビタミン D 欠乏と将来的な筋力の低下およびサルコペニア罹患率について調査したところ、ビタミンD欠乏群では筋力低下が進行し、サルコペニアの新規発生数も有意に増加することがわかりました。
(Takafumi Mizuno et al.;Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle)
しかし、ビタミンDの摂り過ぎは、高齢者の転倒リスクにつながるという研究結果も出ています😱💦
(Lawrence J et al.;Annals of Internal Medicine Volume 174, Number 2)
高齢者で食事の補助としてビタミンDサプリメントを摂取している場合は、主治医にご相談いただくようお願いいたします👩⚕️👨⚕️
ビタミンDの摂取ポイント
脂溶性の栄養素であるビタミンDは、油に溶けやすいです。
そのため、油の多い料理にビタミンDを多く含む食材を使用するとより効率よく摂取することが可能です🍄🐟🍴
また、ビタミンDの活性にはビタミンB₂やナイアシン、マグネシウムなども関わっていますので、一緒に摂取することをおすすめいたします!
日本人の食事摂取基準(2020年版)
食品成分データベース










ゆーみん
管理栄養士