
妊娠中は、喜びと同時にさまざまなからだの変化が起こります🧐
今回は、他人事ではない「妊娠糖尿病」について紹介します!
妊娠糖尿病とは?
妊娠中に初めて発見された、もしくは発症した糖代謝異常のことを指します。
妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に糖尿病と同じくらい血糖値が高いと診断された場合は、妊娠糖尿病とは少し異なります⚠
妊娠糖尿病の数値
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検査項目 |
妊娠糖尿病 |
糖尿病 |
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空腹時血糖値 |
92mg/dL以上 |
126mg/dL以上 |
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1時間値 |
180mg/dL以上 |
– |
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2時間値 |
153mg/dL以上 |
200mg/dL以上 |
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HbA1c |
6.5%以上 |
6.5%以上 |
ほとんどの場合、出産後に血糖値は正常に戻りますが、将来的に糖尿病になるリスクが高くなるという報告もあるため注意が必要です。
【豆知識】最近増えている妊娠糖尿病
国際糖尿病連合(IDF)の報告によると、世界の妊娠糖尿病有病率は16.7%で、2,110万人の出生児が影響を受けているとされています。
高齢出産の割合が増えていることが影響しているのではないかと考えられています。
原因
通常、食事後に血糖値は上昇しますが、体内で作られるインスリンというホルモンによって、糖の代謝を調節し、血糖値を一定に保ちます。
しかし、妊娠中は胎盤から分泌されるホルモンがインスリンの働きを妨げることが原因と考えられています。
また、そのほかにも遺伝的要因や年齢、肥満、食生活、多胎妊娠などによっても妊娠糖尿病を発症しやすくなります。
母体や胎児への影響
妊娠糖尿病を発症することで、さまざまな影響が考えられますが、適切に治療することで、リスクを減少させることが可能とされています。
しかし、放置すると以下の影響が考えられます。
母体への影響
・帝王切開率の上昇
・妊娠高血圧症候群の発症
・流産、早産
・羊水過多
・感染症リスク など
胎児への影響
・巨大児
・新生児低血糖
・新生児高ビリルビン血症(黄疸) など
妊娠糖尿病の予防方法
完全に予防することは難しいですが、以下の点に注意することでリスクを減らすことが可能といわれています。
食生活
過剰な糖質(炭水化物)の摂取を控えることはもちろんですが、以下の栄養素摂取もおすすめです。
※妊娠中の栄養素の過剰摂取や低栄養にはリスクがあるため、必ず主治医と相談して検討してください。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウム吸収促進効果や、免疫力の向上、筋力の向上などさまざまな働きをしており、近年ではインスリンの分泌にも関わっているといわれています。
また、妊娠中の血中25-ヒドロキシビタミンⅮ濃度が50 nmol/l未満の女性でリスクが上昇したという報告もあります。(Shu-Qin Wei et al.;J Matern Fetal Neonatal Med. 2013 Jun;26(9):889-99.)
マグネシウム
マグネシウムは、核酸やタンパク質の合成、歯や骨の健康、血圧の調整、インスリンシグナル伝達などにおいて重要な役割を果たします。
また、妊娠中に血液中のマグネシウム濃度が一定に保たれると、妊娠糖尿病になるリスクが低くなる可能性があるという報告もあります。(Xiyu Cao et al.;Environ Sci Pollut Res Int. 2023 May;30(24):65392-65400.)
食物繊維
食物繊維を十分にとることで血糖値の上昇抑制が期待できるとされており、日本人の食事摂取基準(2020年版)では、目安として1日男性21g以上、女性18g以上の食物繊維摂取を推奨しています。
また、アメリカの研究では総繊維摂取量が10g/日増加するごとに、妊娠糖尿病発症リスクは26%減少し、穀類・果物繊維が5g/日増加するごとに、妊娠糖尿病発症リスクは23%または26%減少したと報告しています。(Cuilin Zhang et al.;Diabetes Care 2006;29(10):2223–2230)
運動
妊娠中の運動には血糖と血流を改善する有酸素運動が効果的であり、ウォーキングや体操、ヨガ、エアロビクスなどが良いでしょう。
食前食後の30分の運動は避け、食後1~2時間で行うのがおすすめです!
※激しい運動は控え、準備運動や整理運動を必ず行いましょう。
最後に
妊娠糖尿病は、お母さんと赤ちゃんに影響を与える可能性のある病気ですが、適切な管理を行うことで、リスクを減らすことができます😌✨
バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、定期的な検診を受けるようにしましょう!









ゆーみん
管理栄養士